かれし
「ねえお姉ちゃん、彼とどうやって別れたんだっけ?」
「え?…電話で話して…かな。急に何かと思ったら、あいつ、いきなり別れたいって…。」
「付き合い、結構長かったよね。」
「うん、まあ……長過ぎたのかなー、なんかさ、居てくれるのが当たり前に感じちゃったんだって…だんだん家族みたいになったって…それで、他に好きな人が出来ちゃったんだって……。」
「そっか…大丈夫?」
「色々吹っ切れるまでにかかったけど、もう平気!っていうか、どうしたの急に?あんた今までこういうこと聞いてこなかったじゃん。」
「うん、ちょっと気になって。お姉ちゃん、なかなか忘れられないみたいだったから…」
「そっか。心配してくれてありがとね。まあ、あいつは見た目も良かったから、きっと今頃私のことなんか忘れて、新しい人と付き合ってんじゃない?連絡も無いし。」
「…………すごいなあ、お姉ちゃんは。わかってるんだあ。」
「?」
「…お姉ちゃん、あのね。」
「彼、今ね、私と付き合ってるの。」
「…え?」
「でね、私の部屋に居るの。」
「え?今?」
「ううん、一緒に住んでるの。」
「ちょ、ちょっと待って?」
「お姉ちゃん、前に彼を私に紹介してくれたでしょ?すごくかっこよくて、一目惚れ…しちゃって…。」
「でもね、彼、お姉ちゃんが好きだって、私はそういう目で見れないって。何度も言われちゃった。」
「だからね」
「私が居なきゃ…私じゃなきゃ駄目だってわかるようにしてあげたんだ」
何処かから物音と唸り声のようなものが聞こえる。
「もう見たり嗅いだり聞いたり喋ったり触ったり立ったり座ったり歩いたりできないけど、私達、今とっても幸せなの!」
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