第１２話　望む未来を掴み取れ！　悪と正義の大決戦！

　捲土重来（けんどちょうらい）。

　一度は敗れたり、失敗したりした者が、再び勢いを取り戻し、巻き返すことを指（さ）す四字熟語なわけだけど、それは今の俺たちにとって、まさにぴったりな言葉だろう。

　悪魔マモンという強敵に、勝利はしたものの、多くを失った我らは、それでも立ち上がり、前に進み続け、不屈の精神を持って、遂（つい）に、ここまでやって来た。

　崩（くず）れかけた足場を立て直し、新たな仲間を増やしながら、勝利に勝利を積み重ね、これまでと同じくらい……、いやむしろ、これまで以上の勢力を築き上げ、ようやくたどり着いたのは、悪と正義で国を二分（にぶん）するという、究極的な状況だ。

　もはや、後には戻れない。

　ここまで来たからには、どちらかが倒れるまで、殴り合い、ぶつかり合い、死闘を繰り広げ、勝敗を決（けっ）するしか、道は残されていなかった。もうすでに、対立の段階は過ぎ去り、その先の対決は、避けられない。

　どちかかが、勝利を掴（つか）み、どちかかが、敗北の味を知る。

　どちらにしても、その結果として、この国の未来は、行末（ゆくすえ）は、大きく変わることになるだろう。それが良（よ）きにしろ、悪（あ）しきにしろ、まず確実に、なにかが変わる。

　しかし……。

　その未来に、一体なにが、待ち受けているのだろうか。

　その勝利の先に、一体なにが、起こるのだろうか。

　それはまだ、誰にも分からない。

　それでも俺たちは、確固たる意志を持って、前へと進む。

　俺たちが望む未来を、掴み取るために。

　これは、俺と、悪の組織と……、対決の物語だ。

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