第10話 蘇る漆黒! 生死を分かつは神の戯れ

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 起死回生きしかいせい


 死にかかった人間を、生き返らせるという意味が転じて、絶体絶命の危機にひんした状態から、一気に盛り返して、状況を立て直し、勢いを盛り返すことのわけだけど、当然ながら、それは同時に、一歩でも間違えれば、そのまま死に飲み込まれる危険な状態であるということでもある。


 人間はてして、絶望的な状況からの一発逆転に夢を見るものだけど、しかし現実問題として、そんな都合のいい展開は、そうそう転がっていない。


 負けるなら、負けるなりの理由があり、死ぬのなら、死ぬだけの道理がある。その積み重ねをひっくり返す奇跡なんて、祈っているだけでは、降ってくるわけもない。


 そう、いつだって絶望的な状況を打ち破るのは、跳ね返すのは、吹き飛ばすのは、

奇跡なんかじゃなく、執念にも似た、激情だ。


 負けてたまるか。

 死んでたまるか。


 絶対に、ここで終ってたまるものか。


 まさに死のきわに追い込まれた時……、いや、例え死んだとしても、あきらめることを知らなければ、忘れてしまえば、認めなければ、せれば、永遠に閉じたはずの道ですら、こじ開けることができる。



 そう、できてしまう。



 これは、俺と、悪の組織と……、復活の物語だ。


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