第6話 定められた決着! 龍と対する英雄が如く

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 画竜点睛がりょうてんせい


 物事を完成させるために、最後に加える大切な仕上げ……、という意味なのだが、よく画竜点睛を欠くという使われ方もするために、逆の意味で覚えている方も、実は多いのではないだろうか。


 優れた画家が、壁に描いた龍の絵に、最後の仕上げとして瞳を入れた途端、ただの絵だったはずの龍が、描かれた壁を突き破り、天に昇って飛び去ってしまった……、という由来ゆらいの故事成語である。


 そう、何事においても、物事のもっとも重要な点というものは、往々おうおうにして最後に訪れることが多い。


 トランプでピラミッドを完成させるためには、震える手を抑えて、頂点にカードを置かなければならない。


 多くの人手と、長い時間と、気の遠くなるような無数のはいで作られたドミノにも、最後の一つを置く瞬間は、必ず訪れる。


 そして、どれだけ入念に繰り返た準備も、細心の注意で立てた作戦も、最後の詰めを誤れば、全ては無意味になってしまう。



 自らが望む結果を得たいのならば、最後の仕上げにこそ、細心の注意を払い、かつ大胆に攻めることこそが、肝心要というわけだ。



 さあ、始めよう。


 目を入れた龍が、どこかに飛んで行ってしまうなんて、勿体ない。俺は俺の望む、最良の結果を、手にして見せる。



 これは、俺と、悪の組織と……、決着の物語だ。


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