第4話 泡沫の伝説! 陰謀渦巻く野望の大海!

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 りゅうとう蛇尾だび


 初めは勢いがよかったのに、段々と尻すぼみになってしまうことを指す四文字熟語だけれども、こういうことは、確かに往々おうおうにして、よくあることだ。


 例えば、壮大だったはずの計画が、結局は残念なくらい縮小したり。

 例えば、大型ルーキーだったはずなのに、気が付けば窓際族だったり。

 例えば、夢が破れて、現実に落ち着いたり。


 例えば、それは……、伝説であったり。


 幽霊の正体見たり枯れ尾花……、ではないけれど、語り継がれている伝説の正体が、実はくだらない勘違いや、与太話よたばなしだった、なんていうもは、よくある話だ。


 だがしかし、竜頭蛇尾の逆……、小さな話が、気が付けば大きくなっていたなんてことも、同じくらいよくある話だということを、忘れてはならない。


 小さなプロジェクトが、結果的に世界を揺るがす大発明に繋がったり。

 誰にも期待されていなかったのに、いつの間にか頂点に上り詰めていたり。

 現実を乗り越えて、見事に夢を叶えてみせたり。


 そういえば、八咫竜やたりゅうに伝わる天叢雲剣あまのむらくものつるぎには、巨大な化物である八岐大蛇やまたのおろちの尾から出てきた、なんて伝説があるらしい。


 さてさて、俺が掴んだ尾っぽの先は、荘厳そうごんな竜か、狡猾こうかつな蛇か。


 それを確かめるために、俺たちは進む。



 これは、俺と、悪の組織と……、伝説の物語だ。

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