第02説 六年ぶりの我が家

 約6年ぶりに我が家へと帰宅する。泉州市葛葉町四丁目2にある績水ハウスの一戸建て住宅で父さん念願のマイホームだったけど、その矢先に転勤の話。家族会議の結果、お父さんの役職ポストを優先し、新築同然のままに離れる形となってしまった我が家。でも、お父さんは会社が期待した以上に働いて約束通り役職を手に入れた。

 玄関のドアを開けると、新築の香りがほのかにタダヨう。自分は引越し屋さんの邪魔にならない様に二階の自分の部屋へ向かった。一人っ子の自分には十分な広さの自室で、さっき車内のFMラジオで流れた曲ワンルーム・ディスコがおどれそうな位だ。色々な家具が次々と自室に運ばれてくる。自分は、家具が運ばれてくるたびに引っ越し屋の従業員さんへしゃくをした。

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