オトナシ君は音以外も奪われる
オトナシ君はよく分からない病気らしい。だんだんと足が細くなっていて、もうまともに立つことすら出来ない。
元々、オトナシ君は足が細かったような気もする。それがなんの関係があるかと言われれば、知らない。少なくとも、会社も辞めてしまい、家から出ることすら困難になっていった。足すらも徐々に奪われていく、そうだ、目に見えるように奪われていった。
病院にも通った。でも、使えもしないようなギプスをもらっただけだったんだ。それをつけて一生懸命に歩こうとしている、だけど、うまくいかないんだ。歩いて鍛えようとしても、良くはならない。むしろ悪くなっていく一方だ。
オトナシ君はまた奪われる
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