音を知ってるオトナシ君は凄い

レー・NULL

オトナシ君は音が聞こえない

 オトナシ君は事故にあってから音が全く聞こえない。耳元で話しても全く聞こえないのだ


 でも、音が聞こえなくても案外話は出来る。こっちは紙に文字を書く必要があるけれど、それってただの筆談じゃないか。いや、オトナシ君は普通に話せるから問題ない。


 オトナシ君はどうやら歌うのが好きなのか、ただ奇妙なリズムで言葉を発しているだけなのか、そんな事は分からないけれど、よく喋る。内容は意味が分かるといえば分かるけど、なんだかよく分からないことを言っている。


 そんなオトナシ君だけど、耳が聞こえなくても普通の人として生きてきた。学校だって普通の学校を普通に通い、普通に普通の仕事をしてきた。昭和の時代に、どれだけの配慮があったのか、昭和に生きたことの無い僕には想像もできない。


 どれだけの苦悩があったのか、それを知ることは、出来ない

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