第八夜 悪魔vs天使

案外、気が短いなこの天使。せっかくこっちは仲を取り持って楽しくやろうってのに。でも、そんなこと言ってても始まらない。中じゃアリスの奴が天使をビビらせてやろうと、虎視眈眈と待ち構えているに違いない。こんな、状態で社へ行かせた日には、日本は水没くらいは免れないかも知れないな。喧嘩した後、仲直りしてもらった所で、肝心の星が滅びていたら何にもならない。僕は宗教画などの天使の軍団が乗り込んで来るイメージを想像して、身震いした。


「あのう天使さん。こんな田舎に篭っていてもつまらないんじゃありませんか?もし、宜しければボク達で東京案内しますよ。移動が便器になるんで、そこだけちょっと我慢してもらえれば、直ぐに着きますから!」


あれ、プルプルしてる。感動して喜んでらっしゃる・・・訳じゃなさそうだ。どこだ?どこが悪かったんだ?東京か?それとも移動が便器か?


天使が何か言い掛けたその時、


「ゴルァー!さっきから何楽しそうにふたりっきりでくっちゃべってるんですかー!?サッサッと入ってきなさいよ!」

アリスが社の中から飛び出して来た。

コイツもホント気が短いなぁ、悪魔の癖に。せっかくボクが気を利かせて、間を取り持とうとしていたってのに。


「オマエね。姿見せちゃったらサプライズの意味無いだろう?肝試しの意味解ってる?ネェ天使さん?あれ?」


「貴様ら本当にこの私に向かってサプライズを仕掛けようと思っておったのか!?愚か者共め!」

ほら見ろ、天使さんもうすっかりオカンムリだ。ああもう一巻の終わりか?



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召喚するは我にあり 赤松 帝 @TO-Y

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