第3話  守りたい“もの”


 俺が世界の現実を知ってから、2年。

俺は5歳となった。

段々と分かることも増えてきた。

身近なところから、両親の名前。

母、ルミリエ。父、ベルク。

世界が滅びてからの第1世代らしい。

年齢は、20歳と23歳。

俺の精神年齢+現在年齢と変わらん。


 そして、2歳になったばかりの妹。

名を、リア。

孤児院の皆も家族みたいなもんだったけど・・・・・・。


 孤児院、か。

この世界で、あの場所はどうなっているだろう。

皆が、殺された場所。

俺が、殺された場所。

殺したやつは、もう死んでいるだろう。


 


 ここが何処なのかも分かった。

昔、英国。

イギリスだった場所。

今はもう、その名前はなく、場所の区別は数字でしているらしい。

昔の国名はarea、市区町村はE。

この場所は、エリア11、E4と、いうらしい。

あまり覚えれそうにはないが。


 問題は世界がなぜ、滅んだか、だ。

詳しくは、分からない。

両親に聞いてもはぐらかされるのだ。

戦争か、の襲来か。

後者は遠慮したいが。

そんなところに、ライトノベルらしさはいらない。


 「んぅぅ・・・・・・」

揺りかごに揺られていたリアが起きたらしい。

この時代でも、赤ちゃんはやっぱり揺りかごなんだな。

寝ぼけまなこで、俺の方を見てくる。

手の近くに指を持って行くと、その小さい手で掴んでくる。

小さいくせに、強い握り方。

淡い温もり。

・・・この子は。

俺の家族。

この人たちだけは・・・・・・・・・・・・守る。


 俺の指を掴みながら、リアはまた眠りに落ちていった。


「ミグル、ご飯出来たって母さんが」

「うん!今行くね」


 子供のフリはまだまだ必要らしい。




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