そのシスター、武装につき

@beisonmura

第1話

むかし、むかし、

山深く、森林が生い茂るところに

1軒の草臥れた修道院がありました。


コンコン。


修道院の玄関先ドアをノックすると静かに黒服を纏った清楚な修道女が....

修道女が.....!?

ドアを開けたのはなんと修道女とは到底思えない柄の悪い少女だった。


どちらさん...?


修道院では禁止されていよう、煙草と酒の匂いが口元から漂いその手には吸いかけの煙草を掴んでいた。


あの、セレネンチ修道院は此処であってますか...?


少し怖気付いた様に問えば、予め連絡があったのか軽く返事された。


此処勝手につかって。


少女は冷めた口調で部屋を案内すればさっさと去ってしまった。

この修道院にはあの子しか居ないのかななんて思っていると部屋のドアのノック音が聞こえ、返事と共に見えたのは歳のとった修道女だった。


はじめまして、ようこそ。

セレネンチ修道院へ。

院長のマリア・クラネンツです。

えーと、貴女は....


紹介慣れしてるか如く淡々と述べる口に呆気に取られていると名前をきかれ、我に返り、


アンネ...シスター名はアンジェリカ


本名を口にするところ、修道女らしくシスター名に変え答えた。


ようこそ、シスターアンジェリカ。

シスター歴を教えて貰っても?


改めて手を握り挨拶してくる院長の手はシワシワで、でも暖かった。


シスター歴は3年。

その前は軍隊に居ました、


緩く手を握り返せば、自分の過去恥ずかしむように応え。


そぅ、銃の扱いには慣れてるわね。


安心したような声で院長が答えると少し理解出来ない部分が出てきた。


あの、何故銃が必要なのですか?

修道院なら安全が確保されてても当然なのでは....?


戸惑うアンジェリカに院長は


貴女何も知らないで来たの?


呆れた声音で告げて


え、えぇ...昔母もこの修道院に居たと聞いたので..


それを聞いた院長は少し考える素振りをして


アンジェ...貴女のお母様はシスターアンジェなのでは?


両掌を握り驚いたように告げれば


そうですが、何故...?


と、院長の問いに応え


やはり、アンジェは修道女としても優秀でしたが、両手使いでも優秀でした!


母を褒められ嬉しい筈が何故知って居るのかもう1度聞いた。


あの、シスターマリア・クラネンツは何故母をご存知で...


昔に思いを馳せながら語る院長にアンジェリカは冷静に問う。


ええ、私とアンジェは同期で相棒でした。


貴女はその面影を受け継いでいると、


院長の昔話に水を差したのは部屋を案内してくれたヤサグレ修道女だった。


マリア・クラネンツ...昔話も良いけどちゃんと説明したほうがいい。


ドアを開けたまま話し込んでいた為、ヤサグレ修道女が入ってきた。


そ、そうね、シスターミヤビ。


ヤサグレ修道女に指摘され改めて姿勢を正して、


この修道院は迷える子羊を救済する為に集められたシスターの....


溜まり場っ!!!!


シスターミヤビと呼ばれたヤサグレ修道女とドアから覗かせるグラマラスなセクシー修道女3人が声を揃えて院長の言葉を遮った。


貴女たち、溜まり場って...此処はれっきとした修道院です!

全くこの子たちは...


頭から湯気出して怒る院長を横目にセクシー修道女3人がアンジェリカの元へ近づき、ジロジロと身体を舐めまわすように見て歩き


な、何ですか!?いきなり...


戸惑うアンジェリカの声を無視し


貴女いい肉付きしてるわね...いい意味で!


恐らく、Hカップはあるだろう豊満な胸を揺らし修道女に相応しくない大胆に開いた胸元と腰から入るスリットがエロさを引き立ているそんな彼女もれっきとしたシスターだ。


あの....なんのことでしょう?


この乳牛シスターは身体を見ただけでその人のスリーサイズが分かる無駄な才能あるのよ、だから修道服が駄目になったら彼女に頼むといいよ。



状況把握出来ていないアンジェリカにヤサグレ修道女、ミヤビが代わりに説明した。



え、あの、これあたしも着るんですか?



アンジェリカの視線は乳牛と呼ばれた修道女に向けられていた。


やーだ、違うわよ。

アンジェリカちゃんのは普通よ


ウフッと笑い腕を胸の下に持ってくればやっぱり胸の強調が凄い。


そ、そうなんですか....


普通と言われヤサグレ修道女ミヤビのミニスカ修道服を連想していた。


あ、そうそう、あたしたち三姉妹なの。

覚えといてねぇ!


ひょこっと乳牛シスターと呼ばれている彼女の後ろから似た顔が現れれば続いてもう一人出てくる。


乳牛がシスターラング愛称ラン

次女、Iカップ豊満シスターリグ

3女Dかっぷ2人と似つかない風貌のスリムシスターエブァ


次々と自己紹介をされて一人一人覚えるのに必死だ。



ランとリグの見分けは胸らしいが、正直ワンサイズ差では見分けも糞もないと思っている。



はぁ、....疲れた。


質素なベッドに寝そべると嵐が過ぎ去ったような静寂が広がる部屋を見渡し、溜息吐けば直ぐに眠りについた。



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