第429話 大阪府茨木市新庄町のラーメン200gアブラ以外全マシ

「卓は卓を呼ぶ……」


 茨木のTRPGのできる素敵な場所で青春でバンドなTRPGを終えた後。


 次の予定も入り、解散となったところで。


「腹が、減ったな」


 GMは消耗するものだ。腹が減るのは当然。


 むしろ、今は喰わねばならない。


 ということで。


「お、外列なしか」


 阪急茨木市とJR茨木を繋ぐ通り沿いの店にやってきたところ、店内にわずかに待ちがあるていどのよいタイミング。


 やはり、ここで喰えという神の思し召しに違いない。


 ならば入ろう。


 店内で、食券機の前に。


 限定はやっていないようなので、ラーメンか汁無しか。


「ここは、ラーメンで」


 並の食券を買い、青い洗濯挟みを付ける。これで、麺を200gに減らせるのだ。正直、300g はしんどい。


 店内待機列の一番奥に案内され、椅子に座ったところで『ゴシックは魔法乙女~さっさと契約しなさい!~』を起動する。現在は、夏の大型イベントの五悪魔のターン。最も本気を出さねばならないところであり、しかも今日は最終日だ。


 今の順位を守るべく出撃を繰り返していれば時の流れは速い。


 食券の確認を済ませ、出撃し、席に案内され、出撃すれば、


「ニンニクいれますか」


 トッピングの確認だ。ゴ魔乙を終え、


「アブラ以外全マシで」


 と通す。一つ一つ言うよりこの方が早いし誤解もない。


 少し待てば、注文の品がやってくる。


「うんうん、これぐらいがほどよいな」※個人の感想です。


 大きな丼の上にこんもりと積まれた野菜。寄り添う大きな豚が二枚に刻みニンニク。降り積もるアブラの中、一味の赤が鮮やかだ。


「いただきます」


 まずは、健康的に野菜を喰らう。アブラの旨みと一味の辛味が合わさりつつ、甘みを感じて美味しくいただける。これは、健康的だ。間違いない。どうして健康的と打つと最初に健康敵とでるのかは謎だ。


 麺を引っ張り出して啜れば、醤油の立ったスープを纏って食欲をそそるタイプの味わいだ。


 ある量が減ったところで、麺を引っ張り出し天地を返して全体を混ぜる。ニンニクが行き渡りガツンとした味わいになっていいく。


 そのままの勢いで豚を囓れば、ゴツくて食いでがあって肉を喰らう喜びが口内を満たす。ああ、いいぞ。


 もう、後は勢いでいけてしまう。


 麺を豚を野菜を、モリモリと喰らう。GMは消耗するのだ。その消耗を埋めるための行為なんだから、なんの罪悪感があろうか?


 生きているなぁ。己の命の煌めきを感じて箸を進めれば。


「終わり、か」


 麺も豚も野菜も粗方喰らい、後は、スープに沈む破片を追い掛けるのみ。


 しばしスープと共に追い駆けて楽しみ。


 汝完飲すべからずの戒めに従い。


 最後に水を一杯飲んで一息入れ。


「ごちそうさん」


 店を後にする。


「さて、帰るか」


 阪急茨木市駅へと、足を向ける。


 

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