【3】運命を変える、事件。Part2

 だめかもしれない。

なんて、なに弱気なこと思ってんだ、私!


しっかりしろ!と自分を鼓舞しながら朦朧とする意識の中、玄関に向かう。部屋の窓側はかなり火が回っている。もたもたしているうちに、もうそこまで火が迫ってくる。


逃げなきゃ!


必死に逃げようとしても体が動かない。

煙を多く吸ってしまったらしい。

涙が出てきそうなのをこらえ、耐える。


「まだ、死にたくない。ハナちゃんにも会ってないのにっ!」


私は、叫んでいた。

そのとき


バンッと音とともに誰かが入ってきた。

私を抱きかかえた。


「おい!しっかりしろ!」


何だろこの人、ハナちゃんに見える。

夢かな?でもなんか安心する。


「おい・・・月草・・・!」


声が聞こえるけど意識がなくなりかけた。

そんなとき


「早く救急車に!」


なんて声が聞こえたものだから


「だめ!病院はだめ!お願い・・・。」


必死にその人に頼んだ。

それで体力を使ったのか意識がなくなった。


_____________



目を覚ますとそこは知らない天井。

周りを見ると病院ではないみたい。


「わあっ!」


横を見るとすごく顔の整った顔の男の人がいすに座って寝てた。

男の人は起きるとほっとした顔をして私を勢いよく抱きしめた。


「ほんと心配した。迎えに行くの遅くなって悪かった、月草。」


私の目を見つめ彼はそういった。

よく顔を見ると、切れ長な目に通った鼻筋。

本当にきれいなかおで、イケメンだった。


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