第3話 出会いは空から
「1週間以内に作れって……無理すぎだろ。」
僕は机に突っ伏して、そう呟いた。いや、嘆いたと言っても過言ではない。
この学校の中でパートナーを組んでいない僕のような生徒は、他にはいないはずだ。この免罪符の生徒が奇数の場合、必ずあぶれる人間が出てくるからだ。
「免罪符の生徒にお願いしに行くのもなあ……ムリムリ。」
もちろん制度を免除されている生徒が、制度を利用できない訳ではない。
ただ、作らなくても何も言われない、というだけだ。
昼休み、中庭に移動して昼食を僕は取った。その時に、僕が知る限りの制度を免除されている生徒の名前を書きだした。もちろん生徒会に聞きにいっても大丈夫だが、教えてくれるのかどうかについては謎だ。それに、あまり生徒会には近づきたくない。
生徒会のメンバーも、制度免除者だったりする。でも、大抵生徒会メンバー内でパートナーを作っているのが多い。会長も副会長とパートナーを組んで、率先して生徒のお手本となっている。というよりもそれを生きがいにしているのが、今年の生徒会長と言う噂だ。
「人望もある人はいいよな。」
ボソリと愚痴を吐く。少し人よりも話すのが下手くそで、なかなか他人に話し掛けれなかったら、今の状態になった。初めはまだパートナーを作っていない人にも、焦って話し掛けに行ったけれど、ことごとく断られ続けた。
そんな時だった。バサササと大きな音を立てて、人が僕の頭上に降ってきた。
「へ?」
「え?」
僕と上から落ちてきた相手の声が重なり、僕は下敷きになった。
ガンと鈍い音を聞きながら、僕は目を閉じた。
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