ボーカロイド曲の歴史・調教すげぇ時代

アリエ:

 まだしばらくは先ほど紹介した三人の時代が続くんですが、他のボカロPもまたヒットを飛ばすようになってきます。

 この“天ノ弱”はそんな時代の曲の一つです。魂入魂済みとも評される歌声と最後まで聴いて分かるタイトルの意味が涙を誘います。


まりあ:

 悲しい曲ですね。


アリエ:

 ボーカロイド曲のラブソングはどうしてほろ苦い曲が多いんでしょうかね。

 そうこうしているうちに週刊ボーカロイドランキング、略してぼからんが第200回を迎えます。このぼからんは動画が一週間で稼いだ再生数やコメント数、マイリスト数から算出されるデータを基に発表されるものです。

 この回の上位2曲はどちらも名作なんですよ。


まりあ:

 ふむふむ。


アリエ:

 惜しくも2位に沈んだのはMitchie M氏の“FREELY TOMORROW”。ちょっと前のアイドルソングっぽいです。

 まあ、集計〆切前日の投稿なので2位になれただけ十分凄いんですけどね。ちなみに、翌週では1位をとってます。


まりあ:

 動画タイトルの「調教すげぇ」って……


アリエ:

 あ、それは変な意味じゃないですよ。「ボーカロイドが人間みたいに歌っている」という意味です。機械らしい不自然さの残るボーカロイドの歌声を修正することを、犬を決められたルートに沿って走らせるよう調教するのに例えたんですよ。たぶん。


まりあ:

 たぶん、って。


アリエ:

 その“FREELY TOMORROW”を抑えて1位になったのはOSTER Projectの“Alice in Musicland”。黎明期から活躍するベテランによる超大作です。


まりあ:

 動画再生時間12分!?


アリエ:

 20分ある第二弾もありますよ。


まりあ:

 えぇ……


アリエ:

 この曲はボーカロイド曲の中でも一際変わった作品でして、全5幕の本編とスタッフロールからなる不思議の国のアリスをオマージュしたミュージカルとなっています。

 ライブラリはなんとMEIKO・KAITO・初音ミク・鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカのクリプトン製オールスターズを全部使用。


まりあ:

 多いんですね。


アリエ:

 上を見ればキリが無いですよ。10人とか16人とか。中身で評価しましょう。


まりあ:

 確かにコロコロと場面が展開して面白い曲ですね。動画も可愛いですし、ハモりの使い方もお見事です。


アリエ:

 動画としての完成度はこのあたりでは既に完成されて、これからボカロ界隈はまた新たな方向を目指していくことになります。

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