ボーカロイド曲の歴史・みくみく時代

まりあ:

 で、で、そのボーカロイド曲にはどんなものがあるのかな。


アリエ:

 さっきも言ったとおり、何でもありですよ。アイドルソングやラブソングはもちろん、ロックやバラードなんて当たり前、ジャズだったりトランスなんてものも。

 どんな曲が良いですか?


まりあ:

 うーん、どんな、って言われても……


アリエ:

 じゃあ、ボーカロイドの歴史を辿りながら定番どころ20曲ぐらい選んでみますね。私がボーカロイドを聴き始めたのは2012年3月頃からなので、それ以前のことは史料に頼りますがご容赦ください。


まりあ:

 は~い。


アリエ:

 ボーカロイド自体は2003年から存在していたんですが、ここまで有名になったきっかけはやはり2007年8月31日の初音ミク発売でしょうか。主な活動場所となるニコニコ動画が動画のアップロードに対応してから初めてのライブラリの発売でした。


まりあ:

 ちょっと待って。

 ライブラリってなんなの?


アリエ:

 ボーカロイドは歌声を切り貼りして新しい歌を合成しているんですよ。ライブラリは元になる声のデータ。

 切り貼りする鋏と糊にあたるエディターも初音ミクからバージョンアップされていて、パソコンで音楽を作っている人達からの期待はとても高かったらしいですよ。

 あと、当時ニコニコ動画ではアイドルマスターというアイドルをプロデュースするゲームの動画が流行っていて、その影響も受けてたみたいです。


まりあ:

 アイドルマスターって、デレステとか?


アリエ:

 デレステの本家の元祖です。おかげで、アイドルを支えるプロデューサーという概念がニコニコ動画に知れ渡っていました。こうした土壌が整っているところに初音ミクというCVを持つキャラクターを投下したので大きく広まることになったんでしょうね。

 ボーカロイドで作曲する人を「ボカロP」と呼ぶのはこの名残です。


まりあ:

 ふむふむ。


アリエ:

 この頃の作品はカバー曲や初音ミクそのものについて歌った曲が多いです。Amazonで頼んだら届かなくて、その嘆きを既に発売されていたライブラリであるMEIKOに歌わせている曲もあったり。

 この頃の代表曲と言えば何はなくとも“みくみくにしてあげる♪【してやんよ】”ですね。ヘッドホンどうぞ。


まりあ:

 ちょっと物足りない感じもしますけど、それがまた初々しくて良いですね。

 ……ネギ?


アリエ:

 さっき紹介したカバー曲の中に当時FLASH動画に使われて流行っていたフィンランド民謡があったんです。女の子が音楽に合わせて長ネギを振り回すんですけど、これがそのまま初音ミクの持ち物として定着してしまったみたいで。

 こういう二次創作設定はみんなでプロデュースしていったボーカロイドにはよくあることです。


まりあ:

 楽しそうですねぇ。


アリエ:

 こういうお祭りに一度は参加してみたいものです。

 そうこうしているうちにMEIKOと初音ミクの間に発売されたKAITOが再評価されたり、新しいライブラリである鏡音リン・鏡音レンが発表されたりしました。その影響もあってか、初音ミクという素材そのもののでのヒット曲は減少していくことになります。

 切りが良いので今回はここまで。

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