第4話
教師たちの最終手段によって友人のできた私は、4限の移動教室からその限りない友人と教室に戻っていた。
まじ授業だるい、腹減ったわ、なんて当たり障り無い会話を繰り広げながら無駄に広い廊下を歩き自分の教室に入ろうとしたとき、一際大きい声が私たちを呼び止めた。
「ねぇ!!」
『ん?』
「お弁当一緒に食べていいー!?」
『え、うん、いいけど。』
「ありがとー!お弁当持ってくる!」
「え、誰?知り合い?」
『いや、知らん。』
「えぇ~…」
先に教室に入り、机をガタガタ鳴らしながら移動させて弁当を取り出すと「お待たせー!」と言いながら弁当を高々とあげさっきの奴がやってきた。
あまりのテンションの高さにクラスが戸惑い一瞬の静寂が生まれた。
そんなことも気にすることなくニコニコ近寄ってきた奴は「どこ座ればいい?」と言った。
『あー…どっかから椅子借りてきなよ。』
「わかったー!」
そいつは適当に椅子を掴み机の横にひっつけ弁当を机に置いて弁当を広げ始めた。
それに戸惑い固まっていると不思議そうにそいつは首をかしげた。
「?食べないの?」
『いや食べるけど…』
「いや、てか誰?」
「あ、うち?うちは隣のクラスの
『朱李、ね。よろしく。』
「そっちはー?」
「私はみなみだよ。よろしくー。」
『私は莉菜。よろしく。』
「莉菜…あー!あんたか!ヤンキーみたいにガラ悪くて目つき悪くて愛想ない奴がいるって!」
『お前めちゃくちゃ失礼なやつだな。』
「えへへ、よく言われる。」
『褒めてねぇよ。』
「莉菜有名人やね。」
『嫌な意味でな。』
「確かに顔は怖いけど話に聞いてたイメージと違うわー」
『そうか。』
「おん、話しやすい!」
『物好きやな。』
「自分で言うの?」
「てかてか!ボカロとかアニメとか好き?」
『好きだよ。』
「私も好きー」
「マジ!?うわー!仲間できたー!!あんなあんなおすすめの曲があるんだよ!紹介していい!?」
『わかったわかった、とりあえず飯食え。』
「うっす!」
「変な奴ww」
朱李は早く話したくて仕方ないのかかき込むように食べてワクワクとした顔でこちらを見ていた。
その姿は犬のようでこいつが犬だったら…と想像して一人で吹き出してむせた。
「ちょ、莉菜大丈夫?」
『うぇっほ、げほっ、くっはははwww』
「むせながら笑うとかお前も面白いなー」
『お前には言われたくないよww』
「お前気に入った!これから一緒に行動するわ!」
『え、マジかよ。』
「変な奴に懐かれたね。」
『まぁ、賑やかでいいかもね』
「よろしくな!おっ○い!」
『おいやめろ。』
突然現れ勝手に懐かれたのは犬のような下ネタを連呼する変態でした。
次回は変態と図書室に訪れる話をしましょう。
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