PM12:48

 二年生のクラスの男子のあいだで、早くも新たなウワサが広まっていた。

「おい、今日は体育館横で、島田先輩と司馬先輩が一緒にいるらしいぞ。どうなってるんだ」

「野球部のやつに聞いたけど、あのふたり付き合い始めたって」

「ウソだろ。まじかよ。それじゃ、あの逢沢先輩とのウワサは何だったんだよ」

「デマだったんだろ。みんな踊らされたんだよ」

「誰だよ、そんなデマ流したの」

「ってえことは、逢沢先輩のほうは、今はフリーだってことか?」

「そういうことになるよな」

「やったー。俺たちのアイドルはやっぱり天使だったんだあ」

「何言ってんだ。お前」

 女子のあいだでも、話が広まっている。

「なんで私の司馬先輩を、レズの女に取られるのよ。おかしいでしょ」

「だから、それが根も葉もない単なるウワサだったってことでしょ。そもそもなんで、司馬先輩があなたのものなのよ」

「悔しいけど、美男美女のベストカップルよね。お似合いだわ。付け入る隙もない」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る