PM12:20

 瀬戸のクラスも今日で中間テストは終わりだった。先日、テストが終わった日から部活をしましょうと部長であるカズコに提案したのだが、

「テスト明けは、ちゃんと休まないとダメよ。特に目が疲れてると、良い仕事はできないんだから。私も瀬戸さんも、視力良いほうじゃないしね」と却下された。

 たしかに、連日夜遅くまで勉強してたせいか、コンタクトレンズが乾きやすくなってる気がする。

 どこからともなく、女子ふたりが会話してるのが聞こえてきた。

「ねえ、知ってる? 三年の島田って人と、バレー部のキャプテンだった逢沢って人」

「あの、やたら背が高いコンビでしょ。よくいつもふたりでいる」

「そうそう。うちの学校の美少女両巨頭とか言われてるみたいだけど」

「そのふたりが、どうしたの?」

「実はね、あのふたりレズなんだって」

「ウソ! マジで。気持ち悪い~」

「ふたりでイチャイチャしてるとこの目撃情報が、かなり頻繁にあるらしいわよ」

「どうりで、あれだけ見てくれがいいのに、彼氏いないわけよね」

「しかもさ、ペアで同じ腕時計してるんだって。めっちゃダサい古いタイプの」

「きゃはははは。キモッ! やっぱりそっちの趣味の人は、普通とはやることが違うのね」

 瀬戸もすでに、そのウワサ話は午前中に一度耳にしていた。ふたりとも校内では有名なだけに、そのスキャンダルは燎原の火のように燃え広がった。

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