PM12:55
瀬戸が二年の教室でクラスメートとお弁当を食べていると、ある男子の大きな声がどこからともなく聞こえてきた。
「おい、体育館前に逢沢先輩と島田先輩がふたりで座ってるらしいぞ」興奮気味の声だった。
「マジかよ。うちの学校の二大美少女が?」
「島田って、誰?」
「お前、知らないのかよ。黒髪ロングの長身美人。メガネっ娘で逢沢先輩とは正反対のタイプの地味な感じなんだけど、それがまた良いんだよなあ」
「ちょっと、見に行ってみようぜ」
「そんなことしたら、のぞきやってるみたいじゃねえか」
「だからさ、運動場で遊んでるふりしながら、こっそり見るんだよ。誰か、ボールかなんか持ってるだろ。おい、お前ちょっとサッカー部の部室に行って一個持ってこいよ」
「よっしゃ。行くぞ」
「でも、そんだけかわいいんだったら、彼氏のひとりやふたり、いるんじゃないの?」
「それがさ、不思議なことに、どっちもいないっぽいんだよな」
集団になって教室から出ていく男子を、瀬戸は不安げに目で追った。
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