いつかきっとハマグリになる(11)
それから――深水清雅という人間の男と会ってから五日後のこと。
その日、いそもが私の局にやってきたのは、二日の不在を経て、夜、床の準備を終わらせた頃だった。
「あぁもうすっごいぃ疲れましたぁ」
相変わらず間延びした喋り方でいそもはそう言うと、くたりとそのまま座り込んだ。
いつになくだらりとだらけた様子に眉をひそめる。
いくら食べ歩いてもさすがにここまでだらけることはないのだが。
「そのように座り込んで、いったいどこへ行っていたのです?」
あの男と食い歩いていいという許可を出してしまったしな……。
二日姿を見なかったということは、泊まりがけだったのだろう。
――あの男と。
現状のいそもが女官になるためには、いくら助けが必要とはいえ、“情報提供者”など置かなければよかったか――
「えぇ? 何かぁ、いつも奢ってくれる例の人がぁ、いきなりあたしのぉ、じょうほう……なんとか?――にぃ、なりたいとか言い出してぇ、それでぇ釣りとかにぃ行ってましたぁ」
――……うん?
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