エピローグ スタート・マイ・ドリーム

私の夢の光

「ん~!!」

「おつかれさん」

「見に来るならもっと早くいいなさいよ!」

「いてっ、叩くな」


 帰り道。片付けやら打ち上げやらがあって結構遅くなったけど、なんでか近くでずっと桂がまっていたらしい。

 メールを見ると奏からも「最高だった。お疲れさま! 今度、カラオケでワンマンライブなんてどう?」なんてお誘いも来ていたりした。


「だって、出演者動画見たの結構後だったし、まさか仮面もなしにでるとは思わねえじゃん」

「いや、まあたしかにそこは不用心だったかもしれないけど」

「まあ、よかったんじゃねえの。火狩の奴もかなり盛り上がってたし」

「……そっ」

「そんでついでにプロになっちまえばいいんじゃねえの」

「いきなり何言ってんのよ」

「いや、俺は結構好きだぜ……?」


 そういって桂はなぜか先行販売になってたCDを買っていたのを見せてきた。


「こ、この、バカ!」

「なんだよ~」

「せめて、恥ずいから本人に直接そういうこと言うんじゃないわよ!」

「だって、前になんか悩んでたし直接言ってやったほうがいいかなっておもったから」

「うぅ……」

「夢は見つかったのか?」

「そうね……明確じゃないけど、ちょっとやってみたいとは思ったかもね」


 CD収録に、今回のステージや、周りの人が夢を持って進む姿を見ていて、なんとなくだけど道は見えてきた気がする。

 それが正しいのか、これからも変わらないのかはさっぱり想像はつかないけど。


「それならいんじゃねえの……」

「なんで、あんたが嬉しそうにしてるのよ」

「いや、別に~。ほら、帰るぞ」

「あ、ちょっと、待ちなさいよ!」


 今後の私の人生はわからないけど、夢に出てきた私が本当にいるなら伝えたい。


 ――私は私の道が、少しずつだけど見えてきたわよ。

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スタート・マイ・ドリーム Yuyu*/柚ゆっき @yowabi_iroha

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