第13回 スフィンクスの謎

 知絵は頭の中が真っ白になってしまった。夕姫がやられた、夕姫がやられた、夕姫がやられた……。

 見たところ、大きなけがはしていない。気を失っただけだろう。だが、もう死んだも同じだ。ディアトリマはじきに、その鋭いくちばしで、動けない夕姫を引き裂くだろう。

(助けなくちゃ!)

 そう思ったものの、助ける方法を思いつかない。ただひとつの武器であるP光線銃は、夕姫の手からはじき飛ばされて、今はディアトリマの足元に転がっている。とても取りに行けない。でも、武器もなしにあの怪物に立ち向かったって、殺されるのは確実だ……。

 知絵がそんなことを考えているあいだに、ディアトリマは倒れている夕姫にゆっくりと近づいていった。とどめを刺そうというのだろう。

「へい!」

 知絵はとっさに声を出し、ディアトリマの注意をひきつけた。

「こっちよ! こっち!」

 ディアトリマは立ち止まり、首をぐるりとめぐらせ、ふしぎそうに知絵をにらみつけた。「こんなところにもう一匹、えものがいたか」「どっちを先に殺そうか」と思っているのだろう。

 少し考えこんだものの、ディアトリマは知絵に向かって近づいてきた。

(ああ、わたしってバカだ……)

 向かってくるディアトリマを見つめ、恐怖に立ちすくみながら、知絵は思った。こんなことをしたって何にもならないのに。わたしは殺され、すぐに夕姫も殺されちゃうだけなのに。でも、ほかにどんな方法も思いつかなかったんだもの。役に立たないとわかっていても、夕姫が殺されるのをだまって見てるなんて、できなかったんだもの……。

 それはほんの二秒か三秒のできごとだった。ディアトリマはみるみる迫ってきて、知絵の頭をひとかぶりにしようと、大きく口を開けた。もう逃げている余裕なんかない。知絵は身動きもできず、最後の瞬間を待ち受けた。

 そのとき、横から黒っぽい影が風のように飛び出してきて、ディアトリマに体当たりした。さしものディアトリマもバランスを崩し、横倒しになった。すぐに起き上がろうとするが、人影はその上に馬乗りになって、首をしめていた。ようやく知絵は、それが裸の少年であることに気づいた。

「ムララ!?」

 知絵はさけんだ。そう、それはあの村の少年、ムララだった。

 ディアトリマはどうにか起き上がったものの、ムララはその背中にまたがり、左腕をしっかりと首に巻きつけて離さなかった。右手にはナイフを握っていて、それをディアトリマの首の根元あたりに突き立てている。急所をそれてはいるが、この怪物にとってはひどい痛みのはずだ。ディアトリマは悲鳴をあげ、首を左右にひねったが、くちばしは少年にはとどかない。足を高く上げて爪でひっかこうとするが、やはりうまくいかない。

 怒ったディアトリマは、少年を振り落とそうと、飛んだりはねたりしはじめた。ムララの体はぶんぶんと振り回されたが、それでも必死にしがみついている。まるでロデオだ。知絵ははらはらして見守っていることしかできなかった。

 走り回っているうち、ディアトリマはつまずき、どうっと倒れた。ムララはその首を押さえこみ、ぐいぐいとしめあげた。さらにナイフの柄に力をこめ、ねじるようにして傷口を広げる。ものすごい血があふれだし、知絵は見ていて気分が悪くなった。ディアトリマは小さな翼をばたつかせ、足で地面をかいて、必死にもがいた。しかし、少年の力は意外に強い。どうしてもその腕から逃れることができない。

 ディアトリマの動きがだんだんにぶくなってきた。のどから「ぐるるるる」という苦しそうな声がもれ、まぶたが閉じた。翼が二度三度、ばさばさっと動いたかと思うと、それっきりぐったりと動かなくなった。知絵は緊張から解放され、ぺたんとしりもちをついた。

 ムララは念のため、さらに何度もディアトリマをナイフで突き刺した。完全に死んだのを確認してから、心配そうに知絵の方に駆け寄った。

「チエ、レハチヴェ、ジェムラ?」

 けがはないかとたずねているのだろう。知絵に手をさしのべる。

 その腕はディアトリマの血で、肩のあたりまで汚れている。

「え、ええ、平気……」

 知絵は少しためらったものの、少年の手につかまって、よろよろと立ち上がった。

「ゾラッヴァ。ボナベピ・パムラ・バッヴァサ・フォパビ・チゾー・ラヴォボノヴァ」

 にっこりと笑うムララ。その頬にはひっかき傷ができていた。よく見れば、足も胸も傷だらけだった。あんな怪物と格闘したんだから、無理もない。痛いだろうに、知絵の前では笑顔をくずさない。

 少年は知絵の身を心配して、ここまで追いかけてきたのだ。村人が恐れるヨワルテポストリの谷の奥深くまで、たったひとり、危険をおかして。そのうえ、恐ろしい怪物と命をかけて戦ったのだ。

 よほど強い愛がなければ、こんなことはできるものではない。

 それに気がついたとたん、知絵は胸がつまった。ぼろぼろと涙があふれ出る。

「ごめん……ごめんなさい!」

 知絵は泣いた。結婚式から逃げ出して、ムララに悲しい思いをさせたことに。彼を危険な目にあわせてしまったことに。

 ムララが結婚を申しこんだのは、軽い気持ちだと思っていた。会ったばかりの女の子と本気で結婚したがる男の子なんて、いるわけがないと。だから結婚の約束をふいにしたって、どうってことはないと思っていた。ムララはきっとすぐに自分のことなんか忘れて、べつの女の子と結婚するにちがいないと。

 だが、そうじゃなかった。ムララは知絵を本気で愛していたのだ。

「ごめんなさい、ムララ。わたし、わたし……」

「ベームザ」

 ムララはやさしく知絵を抱き寄せた。少年の腕が背中に回され、胸が少年の胸に押しつけられると、知絵はふしぎなときめきを感じた。人生の中で、一度も感じたことのないときめき……。

「マムザ!」

 突然、ムララはこわい顔になり、知絵を押しのけた。また血まみれのナイフをかまえ、知絵をかばうようにして立つ。知絵は驚いて振り返った。

 倒れている夕姫のそばに、奇妙な生きものがいた。

 月明かりに照らされ、全身が金色に光っていた。まるで黄金でできた像のようだったが、体はしなやかに動いていた。足は四本。胴体はライオンのようで、背中にはワシのような大きな翼がある。そして頭と胸は人間──それも若い女だった。

「スフィンクス……!?」

 知絵は口ばしった。そう、それはギリシャ神話に出てくる怪物、スフィンクスのようだった。ちがうのは、頭がふたつあることだった。

「心配はいらん」「チムクァビ・バサジェム」

 スフィンクスは口をきいた。二つの口で同時にしゃべっている。右の口からは日本語、左の口からはアロロ族の言葉。だから知絵にもムララにも理解できる。

「この少女は気を失っているだけだ。骨折はないし、内臓にも異常はない。朝には目を覚ますだろう」

「あ、あなたは……?」

「そうだ。白石昭彦が暗号にしるしたスフィンクス──ケツアルコアトルの宝を守る最後の守護者だ」

 そう言いながら、ライオンにそっくりの動きで、さっき夕姫がP光線でしとめたディアトリマに近づいていった。

 スフィンクスが翼で軽くなでると、硬直していたディアトリマはぶるっと震え、動き出した。何が起きたのかわからないようすで、きょろきょろと周囲を見回す。

「キーッ!」

 スフィンクスがかん高い声をあげた。ディアトリマはびっくりして、ジャングルの奥に走り去っていった。

 知絵はおどろいた。P光線で硬直した生きものは、軽い電気ショックで元にもどる。このスフィンクスはそれを知っているのか? そして、体から電気を出すことができるのか?

「おどろいたか?」

 スフィンクスは顔を高く上げ、じまんそうに笑ってみせた。

「これから、おまえたちがマヒさせた他のヨワルテポストリも生き返らせる──ああ、心配ない。彼らは手なずけてある。わたしの命令に忠実にしたがう」

「あなたが……」知絵ののどはからからになっていた。「あいつらを操ってたの?」

「人間を襲え、などと命令はしていない。なわばりを決めただけだ。決して谷から外に出ぬようにとな。彼らが谷から出て人間を襲うようになったら、人間たちは谷に入ってきて、彼らを退治しようとするだろう。きちんとなわばりを守らせるのが、彼らのため、人間のためなのだ。

 彼らが狩りをするのは、生きるためだ。だからわたしは、彼らが谷に入ってきた人間を襲うのを、止めはしない。それは自然の摂理だ。動物として、生まれついて持っている本能にしたがっているだけだ」

 スフィンクスは首をめぐらせ、周囲に広がる遺跡を見回した。

「彼らは、この滅びた都が人の目にふれないよう、番人の役目もしてくれている。この都に通じる道は、ヨワルテポストリの住むあの谷だけで、先住民は誰も近づこうとしない。危険な谷を突破する勇気と力のある者だけが、ここにたどりつける。おまえたちはその試練を乗り切ったのだ」

「ラッヴェパ・ロヴォ・ジョアルパ!」ムララが食ってかかる。「バビヴゥサ、チエ、ロソトブヴォ、チヴァフェ!」

「この遺跡はもう谷の外だ」スフィンクスは静かに答えた。「ここにいればヨワルテポストリに襲われることはない。さっきは興奮しておまえたちを追ってきて、うっかりなわばりの外に出てしまっただけだ。ふだんは決して入ってこない。おまえたちは安全だ」

 そう言うと、スフィンクスは知絵たちに背を向け、ジャングルの奥に向かって歩きはじめた。

「待って!」

 知絵が呼び止めると、スフィンクスはちらりと振り返った。

「あなたは何なの? 生きものじゃないわね。ロボット?」

 だが、スフィンクスは知絵の質問に答えようとはしなかった。

「おまえたちの試練はまだ残っている。〈乙女の墓〉を見つけ、〈かげろう〉をくぐれ。その向こうでわたしは待っている。おまえたちに最後の試練を与えるために──それを乗り越えたら、すべてを明かそう」

 そう言うと、スフィンクスはジャングルの奥に、すうっと消えていった。


 一方そのころ、トマトたちは。

「どうすんだよ、姉きー」

 オニオンは枝に抱きつき、なさけない声をあげた。ディアトリマの群れは、トマトたちの登っている木を、がつがつと削り続けている。大きな木だから、少しぐらい削られても、そうかんたんには倒れないだろう。しかし、このままあと何時間も続けられたら、どうなるかわからない。

「しょうがない。こうなったら助けを呼ぼう」

 トマトはポケットから携帯電話を取り出した。見かけはふつうの携帯電話だが、人工衛星を使って、世界のどこからでも通信できるというすぐれものだ。

「助けって、あのコマンダー・ブラックとかいう人に?」

「ほかに誰がいる? 宇宙人の遺跡を見つけたら連絡しろ、すぐに飛んでゆくって、言ってたじゃないか」

「だって、まだ宇宙人の遺跡、見つけてないじゃん」

「ここまで来たら、もう見つけたも同じだよ。それに非常事態だし──なあ、文句ないよな?」

 同意を求められ、ステラさんはしぶしぶ「ああ」とうなずいた。

「悪人に助けを求めるなんて、しゃくだがな。この際、文句は言ってられない」

 トマトはブラックから教えられた番号をプッシュした。呼び出し音が何回か鳴ったかと思うと、電話がつながった。

「ああ、もしもし、ブラックさんでしょうか?」トマトは妙にかわいらしい声を出した。「夜分おそく、もうしわけありません。こちら、仕事のご依頼をいただいた〈ファストフーズ〉のトマトです」

『どうした? 宇宙人の遺跡は見つかったのか』

「あ、はい。それはもうバッチリ。でも、トラブルが起きまして」

『トラブル? 何だ?』

 大きな鳥に襲われてます、と言っても信じてもらえないだろうなあ、とトマトは思った。

「猛獣です。すごい猛獣がうようよしてて」

『猛獣? ジャガーか?』

 そうです、と言いかけて、トマトは考え直した。ジャガーはあまり群れで襲ってこない。

「いえ、あの、ワニです。すごいワニの群れでして、弾薬もつきちゃって、われわれの力ではこれ以上進めそうにないんです。どうにかしていただきたいんですけど」

『本当だな? 本当に宇宙人の遺跡を見つけたんだな?』

「ええ、そりゃあもう」

『ウソをついていたなら、多額の違約金をはらってもらうぞ』

「ウソじゃありませんってば!」

『わかった。すぐに行くから、そちらの位置を教えろ』

「GPSのデータ、送ります」

 携帯電話のGPS機能を使えば、現在いる場所の緯度と経度が正確にわかる。トマトはそれをブラックのアドレスに送信した。

「さて、後は待つだけだ」

 電話を終わって、トマトはほっとした。

「どうすんだよ、後でウソがバレたら」とピクルス。

「そのときはそのときさ。ここで鳥に食われるよりましだろ?」

 木の下ではまだディアトリマたちが、こつこつと幹を削り続けていた。


 知絵とムララは力を合わせて、気絶している夕姫を遺跡の奥のほうまで運んだ。スフィンクスはああ言ったけど、谷に近すぎると、また襲われるかもしれないと思ったのだ。

 崩れた建物のひとつに大きな部屋があった。床はびっしりと柔らかいコケにおおわれていて、ちょっとしたカーペットのようになっていた。そこに夕姫を横たえる。

「フォムパ・ラムイザ?」

 ムララがたずねた。彼の傷はどれもかすり傷だった。さいわい、ロボットが背負っていたリュックの中に救急キットがあったので、知絵が包帯やバンソウコウで傷をふさいである。

「あのスフィンクスの言った通り、命に別状はなさそう」

 懐中電灯で照らしながら、あらためて夕姫の体を調べてみて、知絵は言った。

「あいつは明らかに生きものじゃなかった。地球上には──いえ、他のどんな星にだって、あんな生きものがいるはずがないもの。たぶん、ものすごく精巧に作られたロボットよ。きっと、けが人の体内を透視する装置とかも持ってるにちがいない」

「パムザ・ゾー・ヤラサムヤ」知絵の言っていることがさっぱりわからないので、ムララは顔をしかめた。「トセドシ・ジャサ・ジェサジェムラ?」

 ムララがおなかを押さえるしぐさをしたので、「腹がへった」と言っていることが、知絵にもわかった。

「そうね、晩ごはんにしましょう」

 二人はリュックに入っていた非常用食料を食べた。紙パックに入っているピラフとシチューで、ひもをひっぱってしばらく待つと、しゅーという音とともに底から熱を発し、温まるというしくみだ。

 生石灰(酸化カルシウム)と水の化学反応なんてものを知らないムララにとっては、まるで魔法だった。紙の箱が火もないのに熱い蒸気を発するのを、目を丸くして見つめている。やがてすっかり温かくなり、知絵が箱を開けてやっても、ぶきみそうにながめるだけで、なかなか食べようとしない。

 知絵は安全だということを示すために、自分の分のピラフを食べてみせた。それからムララにスプーンの使い方を教えてやる──彼はスプーンを持つのも生まれてはじめてなのだ。

「ブナ!」

 ひと口、食べてみて、ムララはおおよろこびした。たちまち、がつがつとむさぼりはじめる。

「ブヤ、マムザ・ロセ! メッヴィザ・ブナビ・ワム! ボナベ、ビッヴゥノ・ロムパム・ルーヴェムポ?」

「ああ、ほらほら、食べながらしゃべらない。こぼれちゃうでしょ」

 ムララの豪快な食べ方をながめながら、知絵はほほえましい気分になっていた。こんなにも楽しそうに食事をする人なんて初めて見た。

 ムララはすぐに自分の分を食べ終えた。それでも足りないようなので、知絵は自分の分のピラフを半分、分けてあげた。ムララはそれも平らげた。

「ナムキュルワ!」ムララはにこやかに、自分のおなかをたたいた。「テザレフォ、ロムフォジャ・ゾネジャムポ・スルッヴァ・ヴェシソーシ・ルビヴァビマ」

 知絵はだんだん、ムララが何を言っているのかわかるようになってきた。このピラフもうまいけど、妻の作る料理も食べてみたい、と言っているようだ。

 知絵を思い出した。あの結婚式のさいちゅう、結婚の誓いのお酒を、ほんのちょっぴりだが、口に入れてしまったことを。

 つまり、アロロ族の風習では、知絵はもうムララの妻なのだ。

(そうか、夫婦になるってことは、二人で分業しなきゃいけないってことなのね。わたしには狩りなんて無理だから、家の中のことをやるしかない。お料理とか、裁縫とか、子育てとか……)

 そこまで考えて、知絵はかあっと顔が熱くなった。ムララとの間に生まれた赤ん坊を抱いているイメージを、あわてて振り払う

(な、何考えてんのよ、わたし!? そんな暮らしなんかできるわけないじゃない! ましてこの年で、あ、赤ちゃんなんて!)

 どうにか落ちつきを取りもどすと、知絵はムララに向かい合った。

「ねえ、ムララ」

「ム? パムザ?」

「わたしたち、おたがいに、もっと言葉を覚えたほうがいいと思うの。この前みたいな失敗をしないために──たとえば」

 知絵は自分を指さした。

「わたしは、知絵」

「ブム、チエ・ワンパ」

「そして」今度はムララを指さす。「あなたはムララ」

「トザ、ヤビ・ムララ」

「そう、ヤビ・ムララね」また自分を指さす。「ヤビ・チエ」

 とたんにムララは大笑いした。

「えっ? 何かちがってた?」

「ヴィザブヤ! ボムパ・ザッパサ・ヤヴェ・チエ」

「ああ、男はヤビで、女はヤヴェなのね。ヤヴェ・チエ?」

「トザ。ヤビ・ムララ、ボナベ・チエ」

 それから二人はいろんな言葉を教え合った。

「これは、鼻」

 知絵は人差し指で、ムララの鼻を軽くつついた。

「ハナ?」

「そう、鼻」

 次にムララの髪にさわる。

「髪の毛」

「カミ・ノケ?」

「そう、髪の毛。そしてこれが──」

 今度は耳にふれた。

「耳」

「ミミ」

「そう、耳──あなたの言葉ではどう言うの?」

 ムララは両手をのばし、知絵の両方の耳たぶをやさしくつまんだ。

「イファ」

「そう、イファっていうのね。おぼえたわ──えっ? ちょっと待って」

 知絵はとまどった。ムララは耳たぶを軽く引いて、知絵の顔を自分に近づけたのだ。

 知絵の視界のなかで、ムララの顔がぐうんとアップになってゆく。

「あ、えーと、その……」

 最初、知絵は逃げようとした。でも、すぐに気がついた。自分は逃げようなんて思っていないということに。

 彼女はごく自然に目を閉じ、待ち受けた。

 そして知った──何もかも日本と違うこの土地でも、キスという風習だけは同じなんだということを。

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