第39話 罪人と英雄
「まず、事実をいくつか…。レイ、あなたは罪人ではなく、英雄になりました。」
「は?」
レイは目を白黒させる。
「そんなのごめんだし、意味が分からない。」
「あなたの意見は聞きません。反逆者様。そして、今の私は女王です。」
「は?」
妹の暴走に血の気を亡くしていた娘とは思えないほどの強気にレイは、うまく言葉を紡げない。
「反逆者は、国外に逃亡…。あなたは英雄様です。」
「は?」
「あなたは咎人では無いのです。王を殺したのも、その他諸々も。…妹の願いです、私が玉座に着くために使わせてもらいました。」
レイは驚きながら
「ちょっと待て。どう考えてもオレが犯人だと指し示していたはずだ。こんな大逆者国外に逃がしたなんて…。」
「それも建前です。これは革命と同じ。事実はどうであれ、玉座に着いた私の言葉が真実です。否、だから、私は玉座に着いた。妹を守るために。」
アマネからは強い意志が満ちていた。
「お許しください。あなたとアムが沈んでいくのに気付き、私は妹を守るために動きました。」
レイは呆れたように動かない体で、顔をしかめた。
「ひとつ疑問をいいか。」
「なんなりと。」
レイは至極真っ当な質問をする。
「革命だというなら、本来院の娘であるお前が王座につけるはずがない。それが建前で、世代交代だとしても同じだ。どういうことだ?」
アマネは一つため息をつく。
「それは簡単です。私は殺された王子たちと同じ血の流れる王族だったからです。そして、これは今から語らせていただく、過去の真実に大きく関わります。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます