第38話 目覚め

どれだけの時がたっただろう。一人が目を覚ました。

「お目覚めですか?天使様。」

「…アマネ。」

レイが目を開けると、それをのぞき込むは微笑むアマネ。目の前の妹の暴走を見た表情とはまるで違う、聖母のような表情だ。

体を起こそうとするレイを押しとどめる。

「まだ、お休みください。いくらあなたの体が特別製でも起きれる状況じゃありません。お話もありますから、そのままどうぞ。」

その言葉の通り、レイの体はレイの意志に反してほとんど動かない。レイは起き上がることを諦める。

「ここは?」

「私の部屋です。…ある種口裏合わせをしなくてはならないので。」

「彼女は?」

レイは、生きていることを確信したように尋ねる。アマネは少しためらった後

「いろいろ事情がありまして、今はシズルさんたちのもとで、幽閉状況で眠っています。おそらくあなたが先に目覚めるだろう、というのが全員一致した見解でしたので。こちらにつかせていただきました。」

レイは表情だけは元気に

「それで…。なんで反逆者であるオレたちがこんなに丁重な扱いを受けてるわけ?」

「それについて、今から説明させてください。」

そこから語るのは、長い過去と現在をつなぐ、歴史の物語。

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