七通目 タツキへ
タツキへ
手紙、ありがとう。
なんで、なんでいなくなっちゃったの?
世界一幸せにしてくれるって、ウソだったの?
次にあったときは、こうやって文句を言うんだ。
本当は、タツキを追って死んでしまおうと思っていました。だって、タツキのいない世界になんの意味もないと思っていたから。そこには幸せも喜びもないと思っていたから。
……でも、タツキから手紙をもらう途中でいろんな人に会って、自分は支えられているのだなあと感じたの。
それにね、もう私は一人じゃないから。
タツキ、私のおなかの中にね、赤ちゃんがいるんだって。
私とタツキの赤ちゃん。いるんだって。
今ね、複雑だよ。よくわからないの。タツキがいなくて、とっても悲しい。死にたいと思うほど悲しかった。だけどね、おなかの中に命があるってわかってから、生きなきゃいけないって思うようになった。
タツキが、私に生きる理由を残してくれたんだなって、感じたの。
だから、私この子と一緒に生きるよ。タツキの分まで、生きてこの子を幸せにするよ。楽しいことも、嬉しいことも分け合って、次にタツキに会ったときに、この子と作った思い出を話すよ。
そのときはもう、よぼよぼのおばあちゃんかもしれないけれど……笑わないでね?
タツキ、愛してる。
また会える日を、楽しみにしています。
ミユ
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