第7話 baby自転車 1

 文化祭も終わり、日常に戻る。父親も母親も相変わらずで、疲れ果てているようだ。僕は受験生ではあるけれども、悩んでいる。父親の収入を考慮すると学費だけでなく生活費もある程度僕が稼ぐ必要がある。母親の病気のことを考えると家事をやりながら自宅から通える範囲の大学に行くしかない。やれるのか、と考えるとそもそも大学へ行ったとして、その後は、と次から次へと考えがぐるぐると出てくる。今の状況であれば大学を出たとしても、就職するときも同じように家のことを考えざるを得ず、やはり大学選びと同様に制約を受けるだろう。


そういえば、文化祭で会った三波高校の白峰さんはきっと目標を持って大学へ行こうとしているんだろうな、と思った。エレファントカシマシが好きだ、ということで親近感はわくけれども、三波高校だということを考えただけでもきっと頭がいいんだろうな、とやはりちょっとびびる。


けれども、貴重なエレカシ仲間になれる可能性があるのに。お互いの学校は分かっているから会えないことはないと思うけれども、皆でメアドを交換する雰囲気に持っていければよかったのにと後悔している。

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