管理長の命令について

管理長が何やら難しい顔をして考え事をしていた夜のこと…。

僕は管理長に聞きたいことがあり部屋を訪ねた。


「君、夜についてどう思うかね?」

「はい?」

「だから、夜についてだよ」


部屋に入るなりこの質問だ。

夜について?夜は夜だ。それ以外のなんだというのだ。

管理長の質問にまごついていたら管理長自身が夜について懇々と語り始めた。

余りに長くて太陽がもう顔をだし星たちも月も違う持ち場へ行ってしまった。

僕はその場を離れることも出来ずただじっと管理長の口から発せられる不思議な音階が耳に入ってくるのに任せていた。


「というわけで、君」

「はい?」

「今日から夜研修へ行きたまえ」


そしてまた突然の命令だ。

僕は訳も分からぬまま「夜研修」というものに行くことになった。

漠然とした言葉にいささかの不安を覚えたがそれ以上に心が不思議な音階を奏でていた。


僕は聞きたいことがあったことも忘れて夜研修に思いを馳せた。

さて、夜研修とは一体どんなことを学ぶのだろうか……。



次回更新予定日:2016年7月25日

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る