ドドン！ドドン！ドン！ドン！

一瞬のうちに光が弾け闇夜を様々な色で染めてゆく。

「あぁ、今日は花火か」

「夏の夜に映えるねぇ」

製作所で働く者がのんびりとそんな話をしていると、

何やら工場の奥で言い争う声が聞こえてきた。

そっと近づき聞いてみると……

「なんだよ！あいつ！！」

「そうだ！俺たちの姿があれじゃあ見えないじゃないか！」

何やら星たちは花火に対して文句を言っている様子である。

「まぁまぁ、彼らにとっては年に一度の晴れ舞台なんだよ」

星を管理するスターキーパーは困った顔で、しかし穏やかに星たちを宥める。

「そんなこといってさ！」

すっかり拗ねてしまった星たちは今日はもう出たくないと駄々をこねた。

そんな星たちの様子を見てスターキーパーはため息を付きながら代わりに出れる星を探しに行った。

スターキーパーを困らせた当の星たちはというと、次の瞬間にはもう何事もなかったかのように配置スタンバイをしていたりもするのだが…。

月夜製作所ではなんてことのないいつもの風景。

このように星たちは非常にきまぐれな性格をしているのである。

次回更新予定日：2016年7月24日

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