ご当地ヒーローものという時点で、既にギャグの匂いしかしないわけですが、この作品はそれだけじゃない。
それこそ、ローカルじゃないヒーロー番組よろしく、凝りに凝った設定、そして熱き展開の目白押し。
そんな中に織り込まれたご当地感。
そして無駄に現実に沿っている技、武装、舞台。
このあたりのさじ加減、作者さんのバランスのとり方がすごく上手い。
例えば乗機の名前が揃ってご当地寿司が元ネタだったり。
機械の鯖がアニサキスを放ったり。
どうして選んだ琵琶湖の島々でヒーローたちが戦ったり。
ご当地ネタの面白さ――その地方の特産やら景勝地、歴史を知っているからこそ、あれがテーマかとほくそ笑む感覚――を的確に抑えている。
地方に対する知識と、それを上手く扱うユーモラスがないと、とても書けないですよこんなの。
これ、本当、北陸と中部・東海・近畿当たりのローカル局で、映像化しないですかね。
また別の機会に譲らないでほしかった。まだまだ続きを読みたいと思わせる力作です。ヒーロー物好きな方は是非読んでみてはどうでしょうか。
註:お好きな声優さんをイメージしてお読みください。
ニチアサ、日曜朝7:00からのアニメやヒーロー好きな人にはたまらない時間帯だ。
主人公、堤敬太郎は幼少の頃から特撮ヒーローをこよなく愛する高校生、
現在県立高校で唯一の特撮研究会の部長兼部員だ。
校長からなし崩しに、デザインのみならずスーツアクターとして活動を余儀なくされる主人公。
渋りつつも、地域の顔、ちびっこたちに啓蒙するヒーローとして活動を楽しみだす。
そんなある晩主人公のアパートに謎の飛行物体が飛来して、助力を促される。
当惑しながらも変身の手順を踏むと、本当に変身、自分でも驚く圧倒的な戦闘力で怪人を倒した。
そこで告げられる『ご当地ヒーロー』の真の姿とは?
巻き込まれ型不遇系ヒーロー、イナヅマンの活躍を見よ!!!