8話 黒機霊


 赤い大地に落ちる、黒い翼の影。

 みるみる左右に広がる、コウモリのような翼。

 俺にひっついたプジから生えてきたその翼が、クワッとはばたく。

 飛び立ちながら、俺は左肩に出てきた「気配」を感じた。

 禿げ猫のプジは、分離型機霊の核を内包してる。

 今回は飛ぶだけでは済みそうにないので、翼だけの第一形態から、一気に第二形態に変化したようだ。

 すなわち。機霊体を出したらしい――


芭蕉扇バージャオ・シャン!』


「お?!」


 左肩にある「気配」は、顕現するかしないかのうちにいきなりコマンドを唱えた。

 刹那、俺の黒い翼から淡い紫色の突風がどうっと噴き出す。


「くっ……!」


 ものすごい反動に歯を食いしばる俺。

 左肩に出てきた機霊体は、紫の光に包まれてよく見えねえ。

 翼から迸った紫の風ははるか前方、天から降り注いでいる蒼い光弾に飛んで、一瞬それらを全弾かき消した。

 それでようやく、真下にいるロッテさんの姿がかいま見えた。仁王立ちでふんばるロッテさんの腰に、ミッくんがしがみついてぶるぶる震えてる。


『ロッテ愛している! 絶対君を守る! 守るから――!!』


 ミッくんはそんな情けない格好だったけど、口だけじゃなかった。

 ロッテさんの足元には、熱玉の銀髪少年がうずくまって倒れてる。ビカビカまばゆいことこの上ない。 

 ミッくんは上からの天使どもの攻撃を防ぐと同時に、足元の銀髪少年が放つ熱からも、接触防止バリアを張って主人を守る、という素晴らしく器用なことをやってのけていた。


「す、すげえ! なりゆき上の不可抗力ながら、すげえぞミッくん!」


――『但是這種狀態、這是不可能的、以保持長』


 俺の右肩にいる「気配」が、低い声で何か述べてくる。

 雰囲気的に、この状態じゃ長くはもたないって言ってるようだ。

 でもこの言葉。実のところ、何言ってるか全然わかんねえ。

 ちろっとおそるおそる眼をやると。そこにいるのは――


「あれっ? いつもと……違う?」


 そばにいるのは、褐色肌の……黒髪幼女? すごく小さくて、二頭身の小人のようだ。

 ぱっちり青い目は、プジの人工眼そのまま。


「ななななんで? なんでいつも・・・より、ちっさいの?! うおわ!」

 

 えっ? と黒髪幼女もきょとんとして自分の姿を見たそのとき。

 天から降り注ぐ青い光弾が何十弾も、俺たちを狙って放たれてきた。さっきの攻撃妨害をしっかり認識されたようだ。

 だがたぶん、大丈夫。俺の黒い翼が展開した結界が、そのまばゆくもすさまじい攻撃放射を、ばしばしと跳ね返――。


「ふええええ?!」


 してねえ。跳ね返してねえええ! 結界がばりんと割れて、大地に急降下する俺たち。どうっと、大地にもんどりうってしまう。


「プジ?! 一体どーなって……」


 ぎゅおんと羽音をたてて、数十人いる天使たちのうちの三騎が、こっちに飛んでくる。天使どもは全身、超合金の戦闘装甲。左手に鷲紋の盾。まごうことなくエルドラシアの帝国紋がついてる。

 翼は美しい白銀。

 ひと目で、国家精鋭の騎士や将軍に相当する白銀アルゲン級と分かる翼だ。


反射翼フャンシー・イー!』


 ちみっちい黒髪幼女が、光弾を紫色の結界で跳ね返そうとコマンドを唱えた。

 こ、今度はなんとか、跳ね返せた。

 結界への着弾音がばりばり割れんばかりに鳴り響いてすげえ。そこかしこに放電が散り飛ぶ。

 敵弾は青みがかった光の色から察するに、相当な温度だろう。

 白銀の翼の肩先に装填してる宝石のような青い発射核は、別星系から輸入した鉱石結晶から作られてるものに違いない。一瞬見とれてしまうほど、とても綺麗だ。

 迫り来る天使どもの右肩には、奴らの機霊体が神々しくも顕現してる。


戦乙女ヴァルキュリエ! こんな近くで初めて見たっ」


 羽がついた兜を被り。鉄鎧に長い腰布をまとい。手には槍のごとき武器を持った女神たち。

 あれこそは、エルドラシア帝国中枢に君臨する、主力級大機霊……っぽい。

  

「くそぉ、皇帝親衛隊が、じきじきにお出ましって、やばくねえ?!」

――「識別信号が出ておらぬぞ、黒い機霊!」


 肩に戦乙女を侍らせる天使の一人が、ぎゅんと羽ばたいて迫りながら怒鳴ってきた。金髪碧眼のすんごい綺麗なお姉さんだ。


「我こそは機霊剣の咆哮スクルカルドを駆りし者! エルドラシア皇帝親衛隊第三師団曹長、アーデルハイド・フォン・アウネリアなり! 信号を出さず参戦するとは国際法に反する! どこの国家の者か名乗れ! 島都市連盟に訴えてやる!」

「てっ……テルとプジです! すすすすみませんっ、信号ってなんすか? これ、手作りで作った機霊なんで、無国籍ですーっ」

「なんだと?」


龍之息ロンチー・シー


「ひっ、プジ?!」


 俺の左肩付近にいる黒髪幼女が勝手に、金髪お姉さんに幼児のごとき手を突き出す。とたんに俺の黒い翼から、細っこい紫の光弾が放射された。

 

「くっ……おのれ何をするか!!」


 そいつが見事に、天使の白銀の翼の青い結晶を貫いて。

 被弾した金髪お姉さんの戦乙女が、ザッとかき消される。


「あちゃー。プジ! おまえなんてこと……」

――「何奴! 卑怯な!」「おのれ、問答無用で交戦開始するっ!」


 後についてきた天使二騎が猛りたち。慌てて後方に退いていくアーデルハイドさんの代わりに、上空から光弾をバスバス撃ってきた。

 この大天使たちも、金髪碧眼の綺麗なお姉さんだ。帝国人ってほんと美しい。

 一瞬見とれる俺のそばで、むうっと褐色肌の黒髪幼女が口をへの字にする。

 さらに迎撃しようと、幼女は空に向かって片手を突き出したが。


「うあ?!」


 直後、俺の黒い翼から出てきたのは。

 ぷす、という変なおならのようなスカした音だった。


『……!!』


 突然黒髪幼女の顔が歪んで……急にお腹を押さえてしゃがみこむ。


「ぷ、プジ?! うああああ!!」


 その隙をつかれて、俺、もろに被弾。

 ばりばりと、青い光の稲妻に捉えられて大感電。

 うっく、きつ! 翼が常時張ってくれてる対接触バリアのおかげで、焼け焦げずに済んだけど、結構なダメージだ。


「プジしっかりしろー!」


 今日の顕現は……おかしい。

 いつものプジの第二形態はこんな幼女じゃない。いつもはもっと……もっと……

 片膝をついて凌いでるうちに、黒い翼が縮まって消える。

 ひい。禿げ猫に戻ったプジが、俺の肩で干物のようにぷらぷらしてる?!

 プジを潰すまいと俺はとっさに抱きかかえ、大地を転がって空から降ってくる次弾をよけた。

 禿げ猫は白目をむいて身を縮めて、うんうん唸ってる。


「ううう……テルー……おなか……いたいー」


 え?! お、おなか? それって、えっと、食あたり? 

 でもこいつ、朝になんか変なもの食ったか?

 じっちゃんの合成カリカリでこんなになるなんて、ありえねえし。

 あ。 


『これうまいな。もう一杯くれ』


 あああ?! もしかして、あの来客用の……!

 

「お、おまえ、合成ココア飲んだ?!」

「ふえ? アムルちゃんが泥水っていってたやつ? 朝ご飯終わって……お皿洗う時に、ちょっと舐めちゃったー……」

「おいおいおいおい!」

「だっていいニオイだったんだもんー……」

「うあああああ! 猫にチョコは厳禁……なんだけどおおお?!」


 干物のようになってるプジが、ぷすんぷすんと変な音を立てる。体温が熱い。内臓回路が、必死にまた機霊起動モードに移行しようと奮闘してるらしい。


「ややややばい。修理! 修理しねえと。うああ修理道具持ってきてねええー!」


 今までなんでもてきとーにこなしてきた俺。金属溶解も合成も回路繋げるのも、今までおのれの勘ひとつでざっくばらんにやってきた。

 細かい数値なんてガン無視。めんどくさくてっていうのもあるけど、それはてきとーに気の赴くまま作ると、思いもしない偶然の結果が出てきて面白いからなんだ。

 プジの機霊だってそう。メイ姉さんの研究を手伝って、てきとーに潜った海底の神殿みたいな遺跡で、てきとーに拾ってきた機霊核みたいなもんを、てきとーにプジの体に突っ込んだら、機霊が発動するようになったんだ……。

 でも「本物の猫と同じように、チョコに毒物反応示す」とか、なんでそこまで忠実に猫の特性が再現されちまうんだ?! 


「お、俺……俺……ももももしかして、天才?!」

「自分で言うんじゃ……ないわよぉ……あぅごめ……テル……体うごかな……」

「がんばれプジ! し、し、死ぬなぁ!」


 ぷすすんぷすすん。力ないおならのような音がプジから出てくる。

 焦りながらも、追いかけてくる天使から必死に走り逃げる俺。全速力。

 なんとかちらっと振り返ると、ロッテさんたちがいるところは煌々と恐ろしいぐらい青く円く輝いていて、すさまじい眩しさ。目標地点は肉眼では確認不可能だ。

 あそこでロッテさんとミッくんが、いまだに結界展開でこの光の猛攻をしのいでるんだろう、ということだけしか分かんねえ。


「ひい! なんかあっちから飛んできた!」


 ミッくんの結界がはじいたんだろう。

 天使どもの光弾が反射され、絶え間なく四方に散っている。

 追っかけてくる天使たちの攻撃に加え、その青い光の流れ弾がいくつか、こっちにどどうっと飛んできた。

 まるで弾幕のごとく雨あられ。白目むいてぷらぷらなプジを抱っこして走る俺、まるで熱い鉄板の上でわちゃちゃとはね踊るごとし。


「ひい! ひいい! ひええ!」


 こ、これもう無理。避けきれな――


「うわああああああ!」

「て、テルぅ……!!」


 俺の真後ろに光弾が迫る。もうだめかとプジを抱え込んで思わずしゃがんだ、そのとき。


――「銀盾展開じゃーっ!」

「え?!」


 俺の背中付近で、いきなりだだっ広い方形の光結界が広がった。

 ばちばちばりばり、すさまじい光の炸裂音が鼓膜を破るぐらいに辺りに轟く。

 飛び散る光に目をすがめ、はるか前方を見やれば。


「じ、じっちゃん?!」


 いつの間に追いついてきたのか、ふしゅふしゅ煙吐いてるメケメケを背に、真っ黒ヘルメをひっ被ったじっちゃんが、ニッと親指を突き立ててる。

 このでっかい方形結界、きっとカプセル結界だ。任意のところに投げつけると展開する、超便利な玉。それが証拠に、俺たちを守ってくれてる結界の根元からもくもく煙が立ってる。

 しかしあの駆動速度微妙なメケメケで、いつのまにここに? 

 いやもしかして実は、微妙じゃないのかも。じっちゃんてば、孫の俺すら知らない秘密をわんさと持ってそうだもん。俺、じっちゃんの生まれ故郷がどこか、実はいまだに知らなかったりする。


「タマ! 大丈夫かー? おぬし朝に合成カカオ汁をなめとったじゃろう。もしやと思って薬メシを持ってきたぞー。これを食えー!」


 うおりゃーと、じっちゃんが剛速球でこっちに小さな袋を投げてきた。


「だからプジだっての! タマじゃないっつの!」


 ぼやきながらキャッチしたものに、プジがよろろと肉球がついた手を伸ばす。

 

「い、いい、におい……」

「なんだこれカリカリ?」

「超特製カリカリ『愛・爺アイチン・イエーイエー』じゃー! それを食えー! タマー!」

「だからプジだってばぁあ!」

 

 た、タマは十年前に死んだ、うちの本物の猫じゃないかっ。

 しかしいつもの茶色いのと違う、なんだか真っ黒いカリカリ……

 豆豆しくて匂いが強烈なそいつをプジの口に入れてやったとたん。

 

「うはああああ!」


 禿げ猫は、ぶひゅーと勢いよく鼻息を吹き出した。


「なにこれ、おいしいいいいい! さいこーう!」

 

 回復の雄たけびとともに、俺の背に飛び乗るプジ。

 どうっと左右に広がるコウモリのごとき翼。

 じっちゃんが張ってくれた結界の制限時間が切れると同時に、俺たちは再び、空へ飛び立った。


「うりゃあ! 上昇っ!」


 急上昇中に、俺の左肩になみなみならぬ「気配」が顕現してくる。

 やった……! じっちゃんすげえ! 機霊体が出てきてくれたぞ!

 

『早上好、業主』

 

 そいつは艶めかしい、ちょっと低い声で話しかけてきた。

 いつものように。俺にはてんで分からない言葉で――

 




「ぐぬぬぬぬぬ! 何にも見えんー!」

『ろ、ロッテ、あと三十秒で結界が切れる。君を射出するから機霊機を外して退避してくれ』

「何言ってんだミッくん! そうしたくても動けないって! 光弾の弾幕が激しすぎるっ……」

 


――『芭蕉扇バージャオ・シャン!』



「な!? 何だ今の、横一線紫ビーム!」

『う? 五時方向頭上1キロ内に……所属不明波動?』


 へへ。間に合った。

 眼下でロッテさんが目を見開いてこっち見上げてる。

 俺の左肩にいる「気配」が、こちらに迫る二騎の天使どもを吹き飛ばした余波。そいつが、ロッテさんたちの真上にも及んでくれた。

 弾幕の嵐がしばし完全に途切れる。さっきの二頭身機霊とは威力が全然違う。

 俺の黒い翼から、おそろしい太さの紫の渦が二本、怒涛のように迸っての攻撃だ。

 天使たちが帝国紋の盾を構えるも、その盾をいとも簡単にかち割って、はるか彼方に吹き飛ばしてやったんだ。

 

突撃トゥー・チー!』 


 艶めかしい声の肩の「気配」が、ロッテさんたちの真上に飛び込む。

 紫色の結界が、天から降り注いでくる青い光弾をすべて跳ね返す――


「いいぞプジ!」


 ちろっと横目で肩を見やれば。

 「気配」の主がにやっと口角あげる微笑を返してきた。

 黒髪の長いツインテールがふわりと揺れる。

 すらりとした艶めかしい体は、こんがり褐色。黒髪が結ばれてるとこに出てる角みたいなのが、猫耳……に見えなくもない。

 蒼い目は右眼が閉じていて、頬からまぶたにかけてひと筋、傷が走ってる。プジにはちゃんと両目があるのに、どうしていつもこんな姿で顕現するのか、不明だ。

 黒い水着のようなへそ出しルックで、背中には大きなコウモリ羽。

 鞭のようなしなやかな毛のない尻尾。なんだか、すんごくセクシィ。

 

『業主、你應該穿的盔甲作戰?』


 うん。何言ってるか全然わかんねえ。この言葉、何語なんだろうなぁ。

 これ、俺がプログラムしたもんじゃない。拾った機霊核にもともと入ってた奴だ。

 三騎倒して、残るは……? 

 空を見上げて数えれば、十二騎いる。そのうちの五騎が、猛然と降りてくる。


『光彈會來!』

「うわあ! まぶし!」


 すごい光量に目が焼けそう。

 しかし黒い翼が展開した結界が、五騎の攻撃放射と天からの援護弾幕を、いとも簡単に全弾跳ね返す。

 黒髪ツインテールな少女は、くうっと伸びをしてくすくす笑った。


『怕癢的』


 なんだかものすごく余裕の表情だ。

   

龍之息ロンチー・シー!』


 さあこっちのターンとばかりに、俺が背負う黒い翼から、紫の光弾が天に向かって放射される。太い二本の、紫色の光の柱だ。

 そいつが見事に、天使二騎の白銀の翼を貫いた。

 被弾した天使の戦乙女ヴァルキュリエがかき消えて、金髪のお姉さんがまた二人、地に落ちていく。


「よっしゃあ!」

『没有什么大不了的』


 残る三騎の天使が、天から援護放射を受けながら眼前に来たところを。

 

合掌翼クーチャン・イー!』


 黒髪ツインテール少女はくすくす笑いながら楽しげに、翼から出した巨大な光の両手でバシッと挟み撃ちにした。

 まるで手を打ち合わせて、小バエをぶちっと潰すように。

 それは天使どもの展開結界ごと押しつぶす、力技だった。

 たちまち三騎の機霊がかき消えて、天使がさらに三人、地に落ちていく。

 そこでついに、上空で援護してた天使七騎が、パッと二手に分かれた。

 二騎が墜落機の救援へ。

 そして五騎が、右手に光の槍を装填しながらこっちに迫る。


「ひっ。強そうな武器!」

永恒之枪グングニル!?』


 黒髪少女は一瞬たじろぐも。

 

神将矛シェン・ジャン・マー!』


 同じような形の紫色の槍を五本、俺の頭上に出した。 


『業主! 扔!』

「な、投げろかな? 了解!」


 俺は急いで槍を一本持ち、迫り来る天使たちに投げつけた。

 プジはすごい。投げる時に、円の魔法陣のような照準がちゃんと出てた。


「うりゃ! うりゃあ!」


 立て続けに三本、相手がこっちに槍を投げつけてくる前に投げて、相手を仕留めることに成功。

 四本目は、槍同士がかち合って互いに対消滅。

 しかし五本目は、相手の方が投げてくるのが速かった。

 ひょいと避けて五投目を放って相手を仕留めたのはよかったが。


「あ! やべ!」


 避けた光の槍が、ロッテさんたちのところへ落ちていった。

 まずいまずいまずい!

 ミッくんの結界はもう限界だ。あんな光の槍は受け止められな――

 

「ロッテさんー!」


 急降下。でも、間に合わない……!

 槍の穂先が、ずずっ、とミッくんの結界に刺さった瞬間。

 結界と槍の接点で、ぶわっと爆発が起こった。

 

「なんてこった……!」


 やばい! やばすぎるっ!

 ロッテさんは無事か?! それとも……それとも……

 異様な色合いの煙が、自然の風で流れていく。

 息を呑んで青ざめる俺と黒髪ツインテール少女。

 俺たちが急降下するその真下から。そのときふしゅううううと、蒸気が噴き出すような音を立てて、まばゆい光がほとばしった。

 ミッくんの結界じゃない。これは……!


「う……まぶし……!」


 俺は思わず両腕でおのが視界を隠した。

 ロッテさんの足元から、すさまじく太い一本の光の柱が、天に向かって立ち昇り。

 なんと一瞬にして、爆発でひび割れたミッくんの結界に突き刺さってる、光の槍の残骸を蒸発させた。

 その柱はまばゆくて。輝いていて。

 神々しい光を四方八方にまき散らした。

 黄金色オーロの、光を。

 

 

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