SF的異世界トンネル。文字とイマジネーションが構築する言葉の立体迷宮だ。すこしふしぎどころか「すごく不思議」。インテリ悪魔メガネっぽい世界観がとにかく面白かった。SF好きの琴線をここぞとばかりにじゃんじゃかかき鳴らしてくれる。ストーリーらしいストーリーはとくにない。言ってみれば「日常」の4こまショートストーリーである。ヒャダイ◎さんがテーマソングつけてくれそうな感じとでも言えばいいか。一話がごく短いので、ぽんぽんと読みすすめられる。これぞSF、これぞセンスオブワンダー。面白い。
意外というと失礼極まりないですが、大変面白かったです。私の好みとしては、横浜駅や分裂する妹よりも、あるいは憂鬱な涼宮さんや、イリヤさんとUFOや、笑わない不気味な泡さん、なんかよりも、好きですね。厳密に言うとSFではないのかもしれませんが、細かいことなどどうでもいい。なんせ虚無だし。ニヒルだし。何故か心がスウッと癒やされました。私も虚無部に入れて下さい。