第10話 冒険フェイズ⑤ アレス様万歳!!
『親神の発言の意図』に気づいた、と天宮は言った。先ほどの緋色と供我の交流シーンの裏で、呪となにやらコソコソと話し合っていたのには気づいていたが、そのやりとりでまさか本当に気づいたのだろうか。可能性はなくはないが、ここまで早く気づくというのは想定外だ。
GM:えっと、これはPC視点でも気づいてます……?
天宮:……多分?
GM:マジですか。早いな……。
天宮:いやっ、わかんないな! ハズレてる説もあるよ。正直「そんなかな?」って思ってるし。
GM:ぶっちゃけると、かなりの確信を持って「これか!」と思ってもらえるように作ってるつもりです。なんなら別室で伺いますが……?
呪:ここで訊いたら実質的に公開したのと同じになっちゃうからね。
天宮:うーん……じゃあいいや、スルーで行こう。奈々ちゃんはまだ気づいていない。
GMとしては焦らされたが、冒険フェイズ中に公開できればよいということもあり、結局見送ることにしたようだ。
GM:了解しました。それでは1サイクル目最後のシーンとして、マスターシーン「戦略的撤退」が入ります。
天宮:どうなるんだろう……。
呪:全然わからんね。
●1サイクル目 シーン5 マスターシーン「戦略的撤退」
GM:あなたたちが鍾乳洞を進んでいくと、急に絶望の闇が深くなる。
呪:お?
GM:周囲に「テケリ・リ! テケリ・リ!」という、鈴を転がすような声が響き、何かが蠢くような気配がする。そのとき、「逃げろ!」というアレスの叫び声が響く!
供我:アレス様!
GM:その声に圧されて、あなたたちが駆け出した、次の瞬間。背後に四方から粘性を持った触手が伸び、先ほどまであなたたちがいた空間を絡め取った!
天宮:おお、間一髪。
GM:「テケリ・リ! テケリ・リ!」という声が、いっそう大きくなる。まるで、あなたたちを嘲笑っているかのようだ。あなたたちは、脇目もふらずその場から逃走した……。これにてシーン終了です。
呪:危なかったね、本当に。「蹂躙」だったら絶対俺たち全滅してたな……。
天宮:供我さんがちゃんとお仕事した!
供我:よかった。「アレス様のおかげだ! アレス様万歳!!」
GM:(笑)。それでは2サイクル目に移りますー。
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