第9話 冒険フェイズ④ うわ、めんどくさいやつ

●1サイクル目 シーン4 シーンプレイヤー:緋色

緋色:とは言ってもなぁ。現時点ですることないんだよな……。

供我:じゃあ「休憩」とかしてよ、みんなにメリットがあるから。

緋色:「休憩」は嫌なこと起こった気がするんだよなぁ……。


 「休憩」では、食事をおこなって生命力を回復することができる。また、シーンに登場するPCは全員「休憩表」を振るのだが、「休憩表」の効果には、PC達にとって良いものも悪いものもある。とはいえ、良い効果が発生することの方が多いし、前回のセッションの休憩も、総じて見ると悪くはなかったと思うのだが、得てして悪いことの方が人の記憶には残るものだ。


緋色:まぁ【想い】でも結んでおくか。誰に持とう……。供我さんかな。

供我:はーい。

GM:それではシーン表をどうぞ。

緋色:(コロコロ)6。

GM:『石の花が咲き乱れる空間に出る。石灰岩が結晶化したもののようだ。幻想的なムード』

供我:そんなロマンチックな場所に呼び出されるのか(笑)。

緋色:「よう、久しぶりじゃねーか。元気にしてたか?」

供我:「おう、元気だった。お前はどうなんだ?」

緋色:「俺は……ちょっと色々人生観が変わってな」

供我:15歳にして人生観とか持ってたの!? すごいなー。

緋色:「まだまだ俺は成長するぜ!」

供我:「へぇー」

緋色:「ところで、この鍾乳洞ってやばいのか? お前、さっきそんなこと言ってたが」

供我:「鍾乳洞については知らないが、やばい化物に俺達が殺される未来は見えた」

緋色:「そうか……。まぁ一時的に撤退するのも仕方がないか。お前がそんなにやばいと言うのなら、信じようじゃないか」と供我に従う。ってなところで判定!

GM:はい。

緋色:【愛】は……C++。(コロコロ)5。「絶望の闇」の修正を引いても、達成値6で成功!

GM:おお。では、【想い】をあなたが持つか、供我さんに持たれるか選んでください。

緋色:どっちがいいんだろう。

GM:今、緋色さんは誰にも持ってない状態ですよね。

緋色:うん。誰にも持ってないし、持たれてない。

天宮:いや、持ってるよ。緋色に1点。

緋色:あ、マジで? じゃあ、供我さんに対して持とう。

GM:特にこだわりがなければ「関係表」をどうぞ。

緋色:(コロコロ)「大切」。

呪:うわ、めんどくさいやつ。

GM:緋色さんに大切に思われると厄介なことに……。やいばを向けられたりしますよ(笑)。

緋色:うわ、根に持ってる。


 GMは別のシステムで遊んでいたときに、緋色のプレイヤーが操るPCに「お前のためだ!」と斬りかかられたことがある。確か、そのときも関係は「大切」だった。


供我:大切……。「そうか、子供の考えることはよくわからん……」

GM:それでは、緋色さんが供我さんに【想い】を1点取得してシーン終了です。


 1サイクル目、PC達の行動は終了。残るはマスターシーンだけかと思った、そのとき。


天宮:はいはいはい! 奈々ちゃんは『親神の発言の意図』に気づきました!

GM:ええ!?


 再びGMの想定外のことを言い出したのは、天宮奈々だった。

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