第8話 冒険フェイズ③ 俺はお前のことを信頼してるんだ
●1サイクル目 シーン3 シーンプレイヤー:供我
GM:まだシーンをしていないのは……緋色さんと供我さんですね。どちらからにしますか?
緋色:うーん、できれば後にやりたいかな。
供我:わかった。じゃあ、天宮さんと「交流」します。
「交流」は、他のキャラクターと触れ合うことで、関係性を深める行動だ。システム的には、【愛】の判定に成功すると、目標との間に【想い】を結ぶことができる。【想い】を持っていると、【想い】の対象になっているPCが判定をした直後に、達成値に修正を加えることができる。
GM:はい。ではシーン表をどうぞ。
供我:(コロコロ)4。
GM:『天井から無数の
供我:天宮さんを登場させます。
天宮:じゃあ、ウンウン唸ってる。「うーーーーーーん……」
供我:え、どうしたらいいんだろ(笑)。
天宮:独り言も言ってる。「うーん。よくないよ、よくない。私もよくないと思う。うーん、やっぱりよくない!」
供我:「どうした、何かあったのか?」
天宮:「そ、それは……言えない決まりなんだ」
供我:「そうか。悩んでいることがあったら、なんでも言ってくれ。俺はお前のことを信頼してるんだ」
天宮:おお。あれ、「信頼」持ってるんだっけ? ……本当だ! こっちも「信頼」してるわ。
GM:すでにお互いに1点ずつ【想い】を持ってるんですね。
この「信頼」とは、【想い】の関係性のことだ。関係はプレイヤーが自由に決めることができる。供我と天宮は、前回のセッションで「交流」を行い、互いに関係「信頼」で【想い】を取得していたのだった。
供我:両思いだと判定に修正入ったりする?
GM:両思いだからといってなにかあるわけではないですが、【想い】を持っていれば後から判定に修正をつけることができますよ。
供我:なるほど。じゃあ「おしゃれ」使って、判定の達成値に+1で振ります! (コロコロ)1、5。……ムードダイスは1。
呪:えっ!? 1だと黒のインガが増えるんだけど。
呪が嫌がったのは、「絶望の闇」といって、黒の領域の覚醒段階の分だけあらゆる判定の達成値にマイナス修正がかかるからだ。今、黒のインガを増やすと、黒の領域の覚醒段階が第一段階になるので、これからすべての判定に−1の修正がかかることになる。
供我:だって、ここで成功させるしかない……。
呪:えー……。
GM:それでは、黒の領域が第一段階に覚醒しました。
運命の輪 黒:1 赤:1 青:1 緑:1 白:1
供我:で、判定のダイスは5!
GM:そこに「おしゃれ」で+1、「絶望の闇」で−1、「想いの枷」で−1なので、達成値4で成功ですね。
アマデウスの判定では、ムードダイスを選んでからアクションダイスを選ぶことになっている。そのため、ムードダイスに1を選び、黒の領域の覚醒段階が上昇してしまうと、その判定からマイナス修正がかかってしまうのだ。
「想いの枷」というのは、交流判定を行うPCがすでに誰かに【想い】を持っている場合、それが交流の障害になり、その【想い】の値だけ判定にマイナス修正がかかるというものだ。私見だが、アマデウスで一二を争う忘れられやすいルールだと思う。今回、供我は、すでに天宮に対して【想い】を1点取得していたので、−1の修正がかかり、達成値4でなんとか成功だった。「おしゃれ」を買っていたのが活きた形だ。
GM:では、供我さんが天宮さんに【想い】を取得するか、天宮さんが供我さんに【想い】を取得するか選んでください。
供我:供我が天宮さんに対して取得する。
天宮:奈々ちゃんあんまり戦えないけどいいの?
GM:(ぼそりと)トラペゾヘドロン……。
天宮:トラペゾヘドロンは撃っても当たらないからなぁ〜(苦笑)。
GM:だから補正をかけてもらうんじゃないですか(笑)。
輝くトラペゾヘドロン。ナイアーラトテップのギフトで、目標に7D6点もの大ダメージを与えることができる恐ろしい術式だが、発動には黒の領域の覚醒段階が第二段階になっている必要がある。黒の領域の覚醒段階が第二段階になっているということは、全員のあらゆる判定に−2の修正がつくということなので、いわば最後の切り札である。
ちなみに前回のセッションでは、黒の領域の覚醒段階が第三段階になって絶体絶命の中、ここで当てれば勝てる!というタイミングで輝くトラペゾヘドロンを撃つチャンスがあったのだが、天宮は判定で1、1、2というひどい出目を出し、修正も間に合わずに敗北を喫したのであった。
天宮:なるほどね。絶対当てるマンになる(笑)。
GM:それでは、供我さんの天宮さんに対する【想い】が2点になって、シーン終了……でいいですか?
供我:待って。【真実】を公開します。
天宮:おお。みんな早いな!
予言:供我冥利
【真実】幻視には続きがあった。怪物はあなた達に気づき、おぞましい敵意を向けてくる。その瞬間、あなたは恐怖で肌が粟立つのを感じる。あなたは直感的に悟る。勝てない、と。戦ったところで為す術なく惨殺されてしまうことは目に見えていた。「おい、やばいぞ」親神が囁く。そこで幻視は終わった。
この【真実】が1サイクル以内に公開されると、1サイクル目の終了時にマスターシーン「戦略的撤退」が発生する。公開されなかった場合、マスターシーン「蹂躙」が発生し、その後ただちに終了フェイズに移行する。
【トリガー】あなたが、他のPCに対して新たに【想い】を1点以上獲得する。
天宮:危ないとこだった! じゃあこのサイクルの終わりは戦略的撤退なの?
呪:なんじゃない?
GM:それでは、改めて供我さんのシーンは終了です。1サイクル目最後です、緋色さん、どうぞ!
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