第7話 冒険フェイズ② なんかめっちゃ尖ってんな

●1サイクル目 シーン2 シーンプレイヤー:天宮

天宮:はい! じゃあ次やります!

GM:わかりました。それでは天宮さん、シーン表を振ってください。

天宮:(コロコロ)1。

GM:さっきと同じですね。プールです。

天宮:じゃあさっきの続きってことで。呪も一緒にいます。

呪:はーい。じゃあ天宮にプールに引きずり込まれそうになって、「俺は絶対に入らないぞ!」

天宮:「入ってよー!」……とかやりながら、天井から垂れ下がった氷柱つらら石を調査したいんだけど……。

GM:え、氷柱つらら石を調査、ですか……?

天宮:ほら、ルールブックの「調査」のとこ。『そのシーンに登場しているキャラクターもしくは場所や道具、事象などを選んで』って書いてるから、氷柱つらら石についても調査できるんじゃ?

GM:……本当だ(どうしよう、想定してないぞ……)。わかりました、いいでしょう。

 

 あとにして思えば、この記述は、場所や道具、事象に関する予言カードがある場合に、それを調査することができるという意味であって、今回のように『氷柱つらら石』の予言カードが出ていないときには認める必要はなかったのだが、このときGMは、突然想定外のことを言われて完全にテンパってしまっていた。


天宮:じゃあ振りまーす! 【頭脳】はA+だから……(コロコロ)1、6、6! ムードダイスに6を取って……何増やそう?

呪:緑あるとありがたい。

天宮:じゃあ緑にしよう。

GM:はい。緑の領域が第一段階に覚醒しました。


  黒:0 赤:1 青:1 緑:1 白:1


天宮:で、判定のダイスも6!

GM:成功ですね。

天宮:スペシャルって何かないんだっけ?

 

 行為判定では、アクションダイスに6の目を選ぶと「スペシャル」となり、達成値が目標値未満でも判定は成功になる。 


GM:「調査」の場合は、達成値に関わらず判定が成功になる以外の効果はないですね。「交流」とかの場合はもうちょっとメリットがありますが。

天宮:そっか。で、何がわかったの?

GM:ええと、天井が高いのであまりわからないけど、ここからだとなんの変哲もない氷柱つらら石に見える。

天宮:ええーっ! じゃあスマホで写真撮って拡大する! これならよく見えるでしょ! 

GM:ええ……?


 食い下がる天宮奈々。このときGMは悩んでいた。確かに1シーン使って調査をして、まったく情報が出ないというのはいかがなものか。とはいえ、氷柱つらら石の調査はまったくの想定外。正直、出せる情報がない。あれこれ考えた結果、GMは……。


GM:ええと。では、「なんかめっちゃ尖ってんな」と思います。

一同:(笑)。


 茶化して誤魔化すことにした。


天宮:めっちゃ尖ってた……!うーん、駄目だったか……(苦笑)。

GM:(逃げるように)それではこれでシーンを閉じます!


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