導入フェイズ

第1話 導入フェイズ① アメリカン?

GM:それでは、『神話創世RPGアマデウス』のセッションを始めていきたいと思います!

一同:よろしくお願いしまーす!

GM:シナリオ名は『アマデウス・エクス・マキナ』。リミットは2なので、2サイクルしたあとで決戦フェイズ、という形になります。

一同:はーい。


 アマデウスでは、導入フェイズ、冒険フェイズ、決戦フェイズ、終了フェイズという順にシナリオが進行していく。導入フェイズでPC達は神話的事件に巻き込まれ、冒険フェイズでその調査を行い、決戦フェイズで怪物を倒す。そして終了フェイズで神様とか偉い人に褒められたりなんかする。まぁ起承転結のようなものだ。

 サイクルとは、PC全員が一回ずつ行動し、行動が一巡することだと思ってくれていい。麻雀に例えると、東家がツモってから北家が切るまでが1サイクルだ。リミットとは、冒険フェイズにそのサイクルが何回あるか、を指す。


GM:それではまず、導入から始めていきます!


●導入フェイズ シーン1

GM:まずは、PC①、緋色晴斗ひいろはるとさん。あなたの導入シーンです。

PC①→緋色:はーい。

GM:前回の事件からだいぶ経ちました。緋色さんは何をしていますか?

緋色:うーん、お世話になったおっちゃんの喫茶店の手伝いをしてるかな。


 緋色晴斗ひいろはると、15歳。知恵、戦略、芸術の神、アテナの子である。表の顔は優等生だが、その正体は潜入工作員であり、通っている中学校によく爆弾を仕掛けたりする。

 ちなみに彼を含む今回のPC達は既に一度神話的事件に巻き込まれている。


GM:それでは、あなたがお手伝いをしていると、突然、頭の中に声が響きます。

GM(アテナ):「大変です! 蔭洲枡いんすます村が絶望の闇に包まれました!」これはあなたの親神の声です。

緋色:「またか……」

GM(アテナ):「今度こそ、神話災害を解決して、村を救いましょう! 期待していますよ!!」

緋色:今度こそ(笑)。期待が重い……!


 神話災害とは、怪物が引き起こす神話的事件のことである。これが起こると世界の一部が絶界と呼ばれる異空間に変化してしまう。

 ちなみに彼らは前回の事件のとき怪物に敗れ、神話災害の解決に失敗してたりする。


GM:というわけであなたの任務は、「この神話災害を解決すること」です(予言カードを渡す)。

緋色:なになに……。


予言:緋色晴斗ひいろはると

【暗示】「大変です! 蔭洲枡いんすます村が絶望の闇に包まれました!」頭の中に声が響く。またか、とあなたはため息を吐く。これはあなたの親神の親神の声だ。「今度こそは神話災害を解決して、村を救いましょう! 期待していますよ」

 あなたの【任務】は、この神話災害を解決することだ。


緋色:これ裏も見ていいんだよね?

GM:いいですよ。


 予言カードには表と裏があり、表には【暗示】、裏には【真実】が書かれている。【暗示】は誰でも見ることができるが、【真実】は予言を受けた本人しか見ることはできず、【真実】にかかれた【トリガー】を満たすまでは他のPCに教えることもできない。


緋色:(裏面を確認して)……なるほど。

GM(アテナ):「それではまず、万神殿パンテオンに向かってください」

緋色:「カカオに行けばいいんだよな?」

GM(アテナ):「そうです、そこで神の飲み物を注文するのです」


 万神殿パンテオンとは多様な神々によって構成される、怪物や神話災害などへの対策を協議する組織である。神子たちは、コーヒーショップ「カカオ」で神の飲み物を注文すると万神殿パンテオンへと通されることになっている。


緋色:じゃあカカオに向かいます。

GM:それではあなたはカカオにやってきました。

緋色:「アムリタ一つ!」

PC③:「アメリカン?」


 アムリタ。それはインド神話に登場する不老不死の飲み物。某3DダンジョンRPGではTPを回復するアイテムとして知られる。アメリカンはコーヒーの薄いやつ。


GM(店員):「アムリタですね、かしこまりました。しばらくお待ちください!」しばらくするとアムリタが出てきます。

緋色:えーっと、じゃあ飲みます。

GM:すると、しばらくしてあなたは意識を失ってしまいました……!

緋色:あれ!? そういうパターン!?

GM:気が付くと、あなたは万神殿パンテオンで目を覚まします。

緋色:よかった!

GM:ここで一旦シーン終了です。





 

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