第46話 カメラ

CPU「え、恥ずかしいです。」


ふと向こうのモジュール6が、どうなっているかを見たくなった。

ハッチの修復と火薬の製造で、たくさん部品を使ったはずだ。

しかも「ウン・パルスエンジン」点火でダメージも負っているだろう。

モジュール6内部のロボットアームに付いたカメラ映像を要求した。


俺「モジュール6の内部をカメラで見せてくれるか?」

CPU「え、恥ずかしいです。」

俺「なんだよ、それ。」


人工知能は恥ずかしがって拒否したが、なんとか説得した。

説得するのに2時間もかかるとは、どういうことだ?

乙女じゃないんだから、サクッとたのみますよ。

ノート型PCのモニターに、モジュール6の内部映像が映った。


タタミが、ほとんど無くなっている。

火薬づくりで草として使ったんだな。

壁も内壁は取り外されて給水ユニットなどが丸見えだ。

トイレユニットも無くなってトイレのタンクが映っている。

天井の一部も取り外されている。

ハッチ修復で使ったか。

爆発の影響でフレームが曲がっている気がする。

肉眼で分かるくらいだからスケールで計れば、ガッツリ曲がっているのだろう。

土壁も崩されて無くなっている。

これは火薬づくりで土として使ったはずだ。


ん?

あれ?

無い。

土壁の奥に何もない。

何も無く、すぐ銀色の外壁が見えている。

人工知能「はやふさ9」CPUが設置されているはずの場所に何もない。


俺「おい、むこうのモジュール6の人工知能はどこにいった?」

CPU「どういう意味ですか?」











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