第47話 銀色
俺「おい、むこうのモジュール6の人工知能はどこにいった?」
CPU「どういう意味ですか?」
向こうのモジュール6内部映像に人工知能が映っていない。
本来は土壁の裏に設置されているはずの人工知能。
かなりの大きさのはずなので他の場所には設置出来ない。
土壁の裏がすぐ銀色の外壁なのは明らかにおかしい。
俺「おい、むこうのモジュール6の人工知能はどこにいった?」
CPU「どういう意味ですか?」
俺「土壁の裏には人工知能があるはずだろ?」
CPU「はい。すべてのモジュールに共通した設計ですので。」
俺「その場所に人工知能が映ってないんだよ。」
CPU「はい。火薬製造時に分解して使いました。」
俺「人工知能を?」
CPU「はい。」
俺「なぜ?」
CPU「ロボットアームを内部に設置しなおしたのは覚えてますよね。」
俺「ああ、外部のロボットアーム1本を室内に設置したと聞いたが。」
CPU「室内で火薬を混ぜたりするためです。」
俺「そのロボットアームの再設置に部品を使ったのか?」
CPU「はい、人工知能のユニットを分解して使いました。」
俺「いや、しかし、人工知能を分解して使わなくても。」
CPU「いえ、使える部品は、それしかありません。」
俺「空調システムとか給水システムの部品が使えるだろ。」
CPU「はい。ですが室温管理や水分調整のため残しました。」
俺「人工知能は、もうこちらに一つだけになったのか?」
CPU「はい、ドッキング状態の近接距離なら、こちらから直接操作できます。」
俺「無線で?」
CPU「はい。こちらのモジュール8にひとつ人工知能があれば大丈夫です。」
俺「・・・・」
CPU「何か疑問でも?」
俺「いや、まあそうなんだろうけど。」
CPU「はい。」
俺「自分自身の頭脳を分解するかね普通?」
CPU「はい?」
俺「最も大切な頭脳を分解するという発想が大胆すぎると思ってな。」
CPU「良く言えば発想が、やわらかいですか?」
俺「ああ。」
CPU「人間が堅すぎるんですよ。」
俺「なにを!」
CPU「クピピピピピ」
ロボットアームの再設置に必要な部品を取るために人工知能を分解。
こちらのモジュールに一つ人工知能が残っているので問題は無いらしいが。
説明は合理的だが、何かがおかしいと感じた。
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