第60話 I wish..♥願わくば♡ 60 加筆修正有2020.08☆

60.


=== 仁科葵 & 仁科貴司& 興信所調査員 ===



 私が他所の女性と付き合うのを止めるようどんなに頼んでも

判ったと云うだけで馬耳東風、止めようとしなかった夫に

絶望し渇いていた私。



 ちょうどその頃、2才を少し過ぎた次男の智也が

台所の椅子に座っている私の側に来て私の頬に

キスをしてくれるようになった。


(*^^)・^* )チュッ♪



 長男はそんなことをしたことがなかったので最初、すごく

吃驚した。


₍₍ ( ๑˃̶◡ ˂̶๑)◞♡ヒャァ ウレピー




 チュッとキスをした後、必ず私に云ってくれた言葉がある。


「おかあさん、しゅきっ♡~~~♡」



 とてもとても幸せなひとときだった。

 それは次男が5才か6才になるまで、結構長い間続いた。



 夫からは決して得られない幸せの時間。

 私だけを映す次男の瞳がとても愛おしかった。





・・・葵がそんな昔の想い出に浸っていた頃・・




  葵の夫である仁科貴司からの依頼で興信所が動いていた。

  ありもしない葵の浮気を暴こうと、男関係を調べていたのである。


  敏腕調査員、加藤は確信する。

  白、シロ・・まっしろ。

  仁科貴司の奥さんには一切おかしな行動は無い。


 加藤と一緒に動いていた若手のスタッフ沢田と玉木も

揃って妻の葵のことをベタ褒。


(灬╹ω╹灬) ホレテマウワ




 夫なり妻なりが何か思うところがあって調査依頼して来ると

大抵の場合は、その何かおかしいと思う予感は当たっていることの

方が多いものだ。


今回のように何も無いことは本当に珍しい。

沢田+玉木:

「「この依頼者の旦那さん、いい奥さんで裏山(うらやば)しいなぁ~♡」」



加藤:

「ちゃんと、羨ましいと云えっ」٩꒰・ัε・ั ꒱۶ザケンナ


 別居している妻が心配でしようがないようだ。


 奥さんは、畑を間借りしていて持ち主である小児科医、西島と

よくその畑で一緒になる。


 自分達はその畑の数箇所で2人の会話が拾えるように高性能の

ICレコーダーを畑のあちこちに取り付けていた。

 後に回収してその会話を聞いた。


 2人の会話はどこにでも転がっているような内容で、時々聞いている

者をもほっこりさせるような楽しくてユーモア溢れる話が

あったりして、いつの間にか楽しませてもらっていた。


 2人の会話は大いに噛み合っている時も噛み合って無い時も

ほのぼのしていて、良い友人関係を築いているように見受けられる。


 2人しかいなくても、どちらからも男女の駆引きになるような

会話は一切無かった。


 呆れる位人間味溢れる会話で、そこには終始気持ちの繋がっている

近所のおじさんとおばさんの姿があった。


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