第58話 I wish..♥願わくば♡ 58 加筆修正有2020.08

58.


=== 仁科葵 & 仁科賢也 & 仁科智也 ===



智也:

「うん、かあさんの云ってる意味すごく判る。

僕もそのたったひとりに早く出会えると

いいんだけどね」( *´ސު`*)Love



『出会えるといいわねぇ~。お兄ちゃんもね。


 お付き合いすることに関しては難しいことなんてひとつも無いの。


 自分をさらけ出せて、相手のことも受け入れて互いが誠実に

向き合えばいいだけのこと。

 自分のことしか考えられなくなると、ふたりの関係は

終わっちゃうからね。


 それとね、良い出会いが無くても、焦らなくていいのよ。

どうしても結婚しなきゃいけないなんてコトでもないんだし。


 少し寂しいかもしれないけど、ぼちぼち自分のペースで

人生を歩んでいけばいいと思うわ。』


༓٩(❛ᴗ❛ั ๑)༊༅⁺೨*˚·





 「「かあさんと久し振りに話できて良かったよ」」

口を揃えてふたりが云った。



 『私も。いつかこういう話、しておきたかったから』




 息子達は夫とは真逆のタイプで、片思いばかりでよく

振られるみたいだ。

 でも、彼らは若いから、これから・・これから。



 だけどそんな息子達を横目にいつかはと思っていたので

今回、私が今まで話したいと思っていたことをちゃんと

伝えることが出来て良かったと思う。




 「かあさん、新しい生活にも慣れて本当に幸せそうだね。

かあさんに離婚を云いだされてから父さん、哀れなモンだよ」

そう、賢也が夫のことを切り出した。



 『そうなの?逆だと思ったけどぉ?

大っぴらに行動できて、ウキウキかと思ってた』





 「表向きはね。いままでと同じように振舞ってはいるけど、何か

精気が無いっていうか覇気が無いというか。

 雰囲気変わったよ、やっぱり。


 だいぶ、痛手追ってるンじゃないかなぁ。


 まあ、昔と同じようにモテる自分に酔ってるけど60才近いアラ還の

既婚モテ男なんかに近付いてくる女なんて、碌なモンじゃないし

所詮、遊び相手にしかならないんだよ。

 

 仲の良い夫婦なら毎日穏やかに息子や娘、孫達に囲まれて

妻と心通わせ、労わり労わられ、そんな心境に突入する年齢

だろうにね。


 モテる男気取りが周りから見て奇異に映ることにも

気付けなくてさ、本当は孤独なのに。


 誰も自分を大切に想ってくれる人がいないんだぜ。

 いい加減、自分のしてきたことのツケの重さに気付けよって

思うけどね」




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