第57話 I wish..♥願わくば♡ 57 加筆修正有2020.08☆

57.


=== 仁科葵 & 仁科賢也 & 仁科智也 ===




 こんな話を聞いたことがあるの。



 研究職のA夫さんは、大学、大学院そして就職してからも

周りは男ばかりの環境の上、研究熱心で仕事一筋。


 男女の色恋事にはトンと疎い人でね、結局恋愛での御縁は

なくって親の勧める女性とお見合いして結婚したの。


 真面目な人でね、他所の女性に余所見することもなく奥さんと

3人の娘さん達を育て上げ、嫁に出した後も今まで通り仕事から

帰って来ると夜遅くまで書斎に籠もって研究の為の文献を読んだり

する日々で。



 特に奥さんを喜ばすようなことを形や言葉に出してすることも無く

結婚後、そうしてきたように日々を粛々と過ごしていたのね。



 子育ても専業の奥さんにまかせっきりで、典型的な日本の昭和頃

までの父親っていう感じできてて。




 だけど、奥さんの子育てや日々の暮らしの中でのことには、いちいち

文句を云ったりして奥さんを不快にさせたりはしてなかったの

でしょうね。



  そして、やさしさもあったのだと思う。




 だって、そのA夫さんの奥さんはね・・

旦那さんのことをとっても愛していたから。



 ある夜のこと、A夫さんがいつものように書斎に籠もって研究の為の

勉強をしていたら、お茶を持ってきた奥さんがお茶を机の上に

置くと同時にA夫さんの耳元で小さな声で"愛してる"って

おっしゃったんだって。


恐らくいきなりの言葉に旦那さんの耳には


--------------------------------------------------------


アイシテル....ン? Aishiteru...Un? あいしてる...愛してるぅ?

(;◔д◔ิ) ホント? キキマチガエジャナイヨネ?


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だったんじゃないだろうか!



 奥さんから告白された"愛してる"の言葉をどう受け止めれば

いいのか、おたおたしたみたいだったから。



 自分達は大恋愛の末に結婚した訳でもないし、今でも週に2度程

ある夫婦生活でも、互いに愛してるなどと言葉を交わしたことは

一度も無かったはず。 



 どういうことなんだ、これは?

妻の真意は?



 言葉で伝えられたA夫さんは、オロオロ・ドキドキ。


 奥さんの真意がどこにあるのか気になってしようがなかった

みたいで、web上の匿名性の高い投稿サイトで同年代の女性達に

Helpしたの。




すると寄せられた多くの回答は、


-----------------------------------------------------


そのままの意味ですよ・・・

奥さんはあなたのことが好きなんです・・・


だから、愛してるって自分の気持ちをあなたに知ってほしくて

伝えたんですよ。  chu♥(人´3`)⌒♡


-------------------------------------------------------


だった。




 女性達からの回答で彼は安心したでしょうし、素直に愛されている

自分を知り、さぞかし幸せな気持ちになったことでしょう。



 皆からアドバイスを受け、奥さんを連れておいしいモノを食べに

行きますとA夫さんはうれしそうだったわ。





 私はこの話を読んでね、涙が出るほど奥さんの気持ちがじんわりと

胸に浸(し)みてきたの。



 地味で真面目を絵に描いたようなご主人と、お見合い結婚で30年近く

連れ添った先に、深い愛が育ってたわけでしょ。


 じわっときたわぁ~。(* Ŏ∀Ŏ)・;゙.:’ジワッ



 いいなぁ~って思った。ପ(⑅ˊᵕˋ⑅)ଓ




 素敵なLove Storyだなって。







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