第54話 I wish..♥願わくば♡ 54 加筆修正有2020.08

54.


=== 仁科葵 & 仁科貴司 ===




 この後も延々と夫は

"くぁwせdrftgyふじこlp"←グダグダ(2channel用語)

何か必死で話してた。(◞‸◟)ドーシテ ワカッテ クレナインダヨォ





 途中から、私の耳は夫の声をShut Outしてしまった。


 私はコウやミーミのこと、畑の作物のこと、次は西島さんにどんな

献立を考えてあげようかなとか、沙織さん達と今度はいつ女子会

しようかなとか、気が付いたらあちらでの生活圏のことばかり

考えていた。




 云うべきことは云った。





 『じゃ、よ・ろ・し・くぅ !!!』 (๑´▿`๑)♫•¨•.¸¸♪✧



 私はそのまま息子達と会わず、帰路に着いた。




・・・



 葵にとって俺の存在は虫のように小さなどうでもいいモノに

なっていて、正直驚きを隠せなかった。


 俺の異性に対する魔力は1mmも葵には効かないらしい。Σ(゚д゚lll)



 彼女の前では60才手前の只のクソ親父に過ぎないようだ。(。◕ˇεˇ◕ฺ。)ズタボロ



 だんだん惨めにも思えてきたが、何とか口達者を自称している俺は

妻を云いくるめようと、しゃべりまくった。



 はぁ~、疲れた。葵の目と耳には、俺の姿は映らず声は届かず

・・だったか!(◔‸◔ ;)ヤレヤレ





 敗北感が襲って来た。




 彼女はその辺に転がってる石よりも強固と思える程で

その意志を曲げること無く、帰って行った。



 はぁー、参った。

 はぁー、疲れた。

 ホント、疲れたぁ。


 ほんとにぃ、アレ(葵)一体誰だよっ!!!




 俺はテーブルに額を打ちつけ、凹んだ。(;ω;)ショボーン



・・・



 姉貴の云ってたことが当たったって訳だ。

 参ったわ。


 女を舐めるんじゃないって吼えてたけど、ほんと俺

葵のこと舐めてかかってたわ。



 だが、離婚だけは何としても阻止したい。

 理由(わけ)なんか、そんな小難しいことじゃないさ。



 愛情が無いのに執着するのはおかしいって云われたけど

 決めつけんじゃないって、ほんとは声を大にして云いたかった。



 俺は、葵を息子達を・・家族を捨てていいと思える程

醒めている訳じゃないんだからな。


 決めつけんなって!



 見てくれだけで寄って来る女はいても、精神的に支えてくれる

ような女がどこにでも転がっている訳じゃないさ。



 整理整頓の行き届いた居心地の良い部屋、健康に配慮された献立で

できた美味しい食事、子供達が健全に過ごすことのできる明るくて

暖かい家庭、60才を迎えようとする俺に今からもういちど

そんな家庭が作れるというのだろうか・・・。



 今から子供仕込んで子育てしろってか?


 いくら俺でも、これから子供を産んで新しい家庭を持ちたい

俺の奥さんになりたい人、この指とぉ~まれって云って

誰が相手してくれるっていうんだよ。



 俺、もうすぐアラ還で60よ。

 勘弁してくれよぉ。



 葵が帰って行った後、戻った自分の部屋で俺はグダグダと詮無いことを

考え、だんだん自逆ネタのようなことまで口に出していた。



 相当、キテいたのだろうな。

 先手を打っておいたのだから、よもや妻に逃げられるとは

思ってなかったさ。




 だが、ここに来てよもやの逃げられ確定なのか?


 なら。最後の足掻きをしてみるか。٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ アガイタルワ






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