追憶の行間
何だ、今のは。
全身に何かが走り抜けた。
俺は過去に、『雷帝』と呼ばれる魔獣と戦った事がある。
奴が放った最大の一撃ですら、こんな全身を引き裂くような痛みは無かった。
何だこれは。一体、この少年は俺に何をした。
こんなの、知らない。一体、何の魔法だ。聞いた事も無い。
とにかく、不味い。
今の衝撃で、一瞬意識が飛んでしまった。
膝から、崩れる。
体勢を立て直さなければ、あの黒い剣で斬られ……
しかし、俺の危惧は杞憂に終わった。先に少年の方が、血を吐いてブッ倒れたのだ。
「なっ……」
膝と手を地に着きながら、現状を確認する。
少年は、倒れたきり動かない。
いや、動いてはいるのだが、全身が肉離れを起こした様に激しく痙攣しているだけ。
意識があるとは思えない。
先程まで饒舌を振るっていた漆黒の魔剣も、何故か黙っていた。
「……成程……」
突然、この少年が加速したのは、魔剣の力か。
魔剣の力を最大限に引き出したがために、魔剣も己も負担に耐え切れず意識を失った。
そんな所だろう。
それだけ、今の一撃に賭けていたのだろう。
確かに、強烈だった。常人なら、今の一撃、最悪死んでいただろう。
散々人外呼ばわりされてきた俺ですら、足腰が立たなくなっている。
「ぐっ……だが……」
こういう時のために、肉体強化の魔法だけは会得していて良かったと心底思う。
己の肉体を魔法で奮い立たせ、鉄パイプを杖代わりに立ち上がる。
「惜しかったな……」
本当に、『惜しかった』。……だが、『約束』は『約束』だ。
まともな武器を使っていない俺にすら勝てない様では……
その時だった。
「あだぶ! うい! ぼぉぉぉ!」
魔王の息子である赤ん坊が、妙な雄叫びをあげながらこちらへ這ってきた。
……表情から察するに、本人的には「勇ましい咆哮を上げながら駆け出している」くらいのテンションっぽいな……
「……ふん、何だ。手を出すな、とでも言いたいのか」
「だう! だぼん! べう! あだぶ!」
何度も何度も声を上げながら、赤ん坊は這い続ける。
この少年から離れろ、そう必死に訴えている様だ。
「……わかっているのか? 俺は、お前も殺そうとしているんだぞ。逃げようとは、思わないのか?」
「だう!」
俺を見上げるその目には、戦意がある。
護るために戦う、意志が。
俺を恐れず、大切な存在を護るために、向かってくる。
……全く、『親子』そろって、他人のためにどうしてそこまで必死になれるのだ。
自分の生命が、惜しいとは思わないのか。
「生命が惜しいとは、思わないのか」
あの日。陽光が差し込む玉座の間で、俺は老いぼれた臣下共をさっさと片付け、魔王と対峙した。
まだ俺は、魔王に一撃も入れていなかった。
それどころか、魔王とは少し言葉を交わした程度で、戦闘すら始まっていなかった。
だのに魔王は言ったのだ。「我輩の首なら、今すぐにでもくれてやろう」と。
だから、俺は問う。生命が惜しいとは思わないのか、と。
「ああ、もう、我輩は生き過ぎた。間違いを犯し過ぎた、と言っても良いだろう」
そう言って、魔王は自嘲気味に笑った。
「思えば、始まりはくだらん事だった……些細な嫌悪、そこから、連鎖は始まったのだ」
「……何の話だ」
「ジジィの思い出話だ」
「興味が無い」
「そうか。では、辞めておこう。本題だ」
「……本題?」
「ああ。『条件』だ。我輩の首を譲り渡すためのな」
「条件だと?」
「うむ」
そううなづくと、魔王は膝を着き、そして、
「―――!」
その頭を、垂れた。
そう、土下座、だ。
魔王が、俺に、土下座をしている。
何故だ。俺はまだ、魔王に何もしていないはずだ。
「頼みが、ある」
「頼み……だと?」
「二つな」
「……欲張るな……」
「まぁ、我輩の命懸けの頼みだ。二つくらい、聞いてくれても良いだろう」
「…………」
「その沈黙は、『内容次第だから早く話せ』という意図と取っても良いな?」
「……ああ」
魔王と死闘を繰り広げるよりも楽な条件だと言うのなら、そちらの方が良いだろう。
俺の返答を聞き、魔王は体を起こした。
「……その前に、やはり椅子に戻っていいか。実は腰を痛めていてな…正座は中々堪える……」
「好きにしろ」
「感謝する」
あーよっこらせ、と玉座に戻り、魔王は一息。
そして続きを語り始めた。
「一つ目だ。これ以上、『この城にいる若い魔人』に手を出さないでもらいたい」
「ふざけるな。俺に無抵抗でやられろと?」
「違う。避難行動の邪魔をするな、と言っているのだ」
「避難……? 交戦の意思が無いとでも言うのか」
「うむ。そもそも、お前らがここに攻め込む前に、若い衆は避難させる算段だったのだ。それをアホみたいな速度で乗り込んで来おってからに……」
どういうつもりだ。真意が読めない…だが、まぁいい。
俺達の目的は魔王を討つ事。それ以外の処理は、国の連中が勝手にやってくれるだろう。
それにしても、一つ疑問がある。
「……何故、若い魔人に限定する?」
普通、こういう時は全ての魔人を指定するはずだ。
何故、若い魔人に限定するのか。
「……ケジメ、と言うモノだ。皆、覚悟は出来ている。我々、『対立を生んでしまった世代』の魔人はな」
「対立を生んだ……?」
「……先程の思い出話に繋がるが、聞きたいか?」
「話せ」
「言葉通りだ。魔王軍なんてモノを発足し、凡庸人種と一部魔人が敵対する構図を作ってしまった、諸悪の根源という事だ」
その昔、魔王軍を発足し、戦争を始めたのは、他でもないこの魔王だ。
「あの頃の我輩は、浅はかだった。我輩と共に戦ってくれた者達も、皆怒りに我を忘れていた」
「…………」
歴史の話だ。
昔、魔人差別主義者であるとある国の王が、魔人への大弾圧を行った。
魔王軍は、その反動で生まれた「凡庸人種への復讐」を目的とする集団だと聞いている。
「怒りに取り憑かれ、我々は見失っていた。魔人も凡庸人種も、所詮は同じ生物であるという事を」
魔王の瞳には、後悔の色があった。
悔やんでも悔やみきれない。そう言いた気だ。
「わかるか? 我々は、花を守るために、花壇を荒らす雑草を駆除しているつもりだったのだ」
だが、違った。と魔王は続ける。
「同じだったんだよ。雑草などでは、なかったんだ」
一体、何を思い出しているのだろう。
魔王は遠い目をしていた。
おそらく、『何か』を見てしまったのだろう。
戦争の中、凡庸人種と魔人が同じであると気付かされる様な、悲惨な『何か』を。
悲劇の瞬間を。哀しみの涙を。
雑草だと思っていたモノから舞い落ちた、花弁を。
「……皆が気付いた時には、遅かった。憎しみは、連鎖を始めていた」
「……こちら側からの攻撃か」
「そうだ」
当然、やったらやり返される。
魔王軍側が『気付き』、攻撃を止めても、相手は一時的な停戦としか思わない。
魔王軍としても、いくら自分達が悪いと思っていても、無抵抗で虐殺される訳にはいかない。魔王軍の者にだって、守らなければならない者達がいる。
戦いは、終わらなかった。
「魔王軍で生まれた世代は、最早『凡庸人種とは敵対する者、そういうモノだ』と思い育ってしまった者ばかりだ。このままでは世代を越え、戦いは永劫続く」
「…………」
「悟ったよ。もう、ダメなのだと」
憎しみは連鎖を始めた。
もうこの誘爆を止める事はできない。
「だからと言って、諦める訳には行くまい」
「!」
「我輩は、この二〇年程で何とかツテを作り上げた。至る所に、『魔王軍とは関係無い、しかし魔王が討たれた時、魔王軍の者を匿ってくれる』そういうツテを用意したのだ」
……成程。魔王の考え、大体見えてきた。
魔王の死。その出来事を以て、魔王軍と人間との戦いに終止符を打たせる。
「……少し、考えが甘いのではないか? 逃げ延びた魔人が、更なる報復のために決起したらどうするつもりだ?」
「避難先は、魔人と凡庸人種の共存が完璧と思える平和な場所を選定した。きっと、『気付いて』くれる。我輩は、皆を信じている」
口で言い聞かせても、現に敵対している状態では、若者達は魔王達の言う事をすんなりとは理解できないだろう。
だから、実際に体験させるのだ。そして自分で気付いてもらう。凡庸人種と魔人の差異など、とても矮小な物である事を。
「信じる、か」
「この城の魔人達は皆、我輩の家族も同然だ。信頼するのは当然だろう」
「…………」
「それに考えてもみろ。このまま魔王軍を維持し続けるよりは、彼らが気付いてくれる可能性に賭ける方がまだ『素晴らしい未来の可能性』があるではないか」
……これが、魔王なのか。
聞き及んでいた邪悪さなど、欠片も感じない。先程から気の良いおっさん臭が半端では無い。
……成程、「雑草では無かった」。それは、こういう事か。
「……いいだろう。その頼み、了承した。で、二つ目とは、何だ」
「我輩の息子についてだ」
「……何? 子がいるのか?」
「ああ。去年生まれたばかりだ。可愛いぞ、こう、何かとふてぶてしくて、な」
魔王に子がいるなど、初耳だ。
「妻は子を生んですぐに死んでしまったが……まぁ、その辺は興味あるまい」
「……その息子を、どうしろと言うのだ。まさか代わりに育てろ、とでも……?」
「いや、お前はおそらく我輩と『同じ』だ。お前には預けられん」
「……同じ?」
「親に恵まれなかった、違うか?」
「!」
「目を見ればわかる。『親の愛情』というモノを知っているか、否か」
……目でわかるモノなのか。流石は魔王、と言った所か。
「お前には子など育てられない。自分でもわかるだろう」
「…………ああ」
「お前に頼みたいのは、ストッパーだ。保険、と言ってもいい。もしもの時、あの子を……始末して欲しい」
「……!?」
「あの子は、魔導の才能に満ち溢れている。今はまだただの赤子だが、いずれは我輩の再来…いや、それ以上の存在となるだろう。もし存在が知れれば、始末しようとする者より『悪用』しようと考える者が現れるはずだ」
魔王の才能を継ぐ、その息子。それもまだまだ幼い。
確かに、力や覇権なんて物を渇望する連中には素晴らしい宝石箱だろう。
そう考えると、平和な避難先に送る事はできない。
万が一、その存在を知られた時、守る力が無い。
「それと、『予言』の事もある」
「予言だと?」
「昔、とある魔導占星術の名手に、色々と助言されたのだ」
「……魔導占星術の名手……」
「どうした、何か引っかかる事でもあるのか?」
「……いや……続けろ」
「術師は、我輩が討たれるであろう未来と、一つ、『可能性の予言』をした」
「…………」
「未来の分岐点……将来、我輩の子が『世界を滅ぼす魔王』となるか『世界を救う英雄』となるか。その重要な分岐点がある、と」
魔王は信じられるか? と笑う。
だが、彼は信じているのだろう。
現に、魔王が討たれる日は来たのだから。
「それが我輩の死後、息子が『最初に出会う』、『新たな親』だ」
「親そのものが、分岐点だと言うのか」
「そうだ。その親次第で、我輩の息子は魔王か英雄、そのどちらかの道へ進む」
「その分岐点とは、具体的にどんな物だ」
「さぁな、そこまではわからんそうだ」
だが、と魔王は続ける。
「少なくとも、あの子を守れない様な力無い親では、最悪の未来が待っているだろう」
守れなければ、悪用される。魔王の息子が誇る、魔王としての才能を。
「その判断を、お前に委ねたい。お前が息子を襲い、それを撃退できるか否か」
「……成程な、俺を『検閲官』とするか」
「そうだ。占星術師によれば『最初に出会う親』が分岐点となるらしい。つまり、その者が息子の未来を決定付ける。その親が、息子を守れない様であれば……」
「お前の息子を始末するしかない、か」
息子がいくら愛おしくとも、世界の命運には代えられない。
最善は、すぐに息子を始末する事だろう。そうすれば可能性もクソもない。
確実に世界は救われる。
それでも、親のエゴだとしても、できれば息子を死なせたくはない。
だから魔王は、賭けに出る。
息子が最初に出会う親。
その分岐点から、正しい未来へ向かう可能性を信じて。
そして、その保険に『魔王を討つ最強の冒険者』を『検閲官』とする。
「…………」
「無茶苦茶な頼みである事はわかっている。お前がこれを引き受けてくれる義理など、無いのだからな」
そうだ。息子を生き残らせたいのは、親としての魔王のエゴ。
そんなもの知るかと、俺はその息子を切り捨てる事もできる。
「だから、少しばかり『呪い』をかけさせてもらう」
呪い、か。
おそらく、命令に背けば心臓が潰れるとか、その手の物だろう。
俺を強制的に『検閲官』とするか。最後の最後で随分と魔王らしい事だ。
だが、
「不要だ」
「……! ……そうか。それは手間が省けて有り難い」
俺の目を見て、理解してくれたらしい。
俺の意思を。
例えエゴだろうと、どうにか子を守りたいと尽力する魔王の想い。
……それを、踏みにじりたく無い。
俺には、得られなかった物だから。
親に愛される幸せを、俺は知らない。
独り、冷たい路地裏から、幸せそうな家族を眺める虚しさは知っている。
それに嫉妬を覚え、泣きじゃくった事もある。
冒険者になるまで、嗚咽しながらゴミを漁り、時には菓子パン一つのために誰かを傷つけ、生きてきた。
俺がどれだけ望んでも、得られなかった、親の愛情。
魔王がせめてもと息子に捧ぐこの愛情を、俺が踏みにじれるはずがない。
例え、世界の命運なんて物が懸かっているとしてもだ。
「……良い親を持った、お前の息子が羨ましいな」
「ほう。死ぬ前にそんな最高の褒め言葉を聞けるとはな。辛くとも長生きしてみるものだ」
「……以上、か?」
「ああ。頼むぞ、『魔王を討った英雄』殿」
「……ふん」
大剣を構え、魔王へと歩み寄る。
「その頼み……確かにこの胸に留めておこう」
振り下ろすこの刃に、誓おう。
お前の息子の命、この俺が、確かに預かった。
「……ふん」
良い目をしている。
あの魔王と同じ目だ。それ程までに、この『新たな親』を想うか。
「だう!」
「……本当に、惜しいものだ」
こんな良い目をする若い芽を、摘まなくてはならない。
魔王の願いは、届かない。
子を想う親と、親を想う子。その二つの想いを、引き裂かなくてはならない。
この状況が、とても残念だ。
それでもこの少年は、『新たな親』は、魔王の息子を守る力が無かった。
約束は、約束だ。果たさなくてはならない。
鉄パイプを握り締め、こちらへ這ってくる赤ん坊の元へ歩を進め様とした、その時、
「!」
その足を、何者かが掴み止めた。
「何……」
それは、未だ痙攣を起こしている少年の手。
……馬鹿な。この少年は今、全身が肉離れを起こしている状態だぞ。
魔剣も意識を失っているという事は、その加護も切れているはずだ。
そんな状態では、万が一仮に意識があったとしても、動けるはずがない。
身動ぎ一つでも起こせば、筆舌に尽くしがたい激痛が全身を襲うはずだ。
だのに、少年の手は、俺の足首をしっかりと捕まえた。
しっかりと言っても、振り払おうと思えば振り払える程度の握力しか掛かっていないが。
少年は、それ以上動かない。いや、動けないのか。
顔も上げられず、声すら発せない状態でなお、俺の足首を掴み続けている。
おそらく、ろくに意識も残っちゃいないだろう。
今、この少年の手を動かしているのは、少年の本能的な部分だ。
こう言う場面で、本能的に手が出る様な人生を歩んできた、と言う事か。
「………………」
自分の生命か、魔王の息子か、どちらかを差し出せと言った時。
この少年は、諦めなかった。俺を出し抜く道を模索していた。自分も魔王の息子も、誰も犠牲にしない道を、探し続けていた。
悪くない考えだとは思う。
実に理想的だ。だが現実的とは言えなかった。
素人だ。甘ちゃんだ。
でも何故か、この少年がその道を選んだ時、俺は嬉しかった。
愛する者のために懸命に足掻く。
愛する者のために自らすら糧としたあの魔王と少し毛色は違うが、同じく『立派な親』と言う物を見た気がした。
「これが、お前の選んだ親か」
「あう!」
この赤ん坊の選択は、あながち悪い物では無い、かも知れない。
「本当、お前は親に恵まれているな。……羨ましい、限りだ」
軽く足を振るって、少年の手を払う。
少年の手は、弱々しい動きで俺の足を掴もうとしてきたが、数歩下がってそれを躱す。
そして、
「……だう?」
赤ん坊が疑問の混じった声を上げた。
まぁ、理解できないだろう。
今まで敵意を向けていた男が、突然背中を向け、去ろうとしているのだから。
「また来る」
俺は、期を急ぎ過ぎた。この少年には、伸び代がある。
……直感だ。
「次は、覚悟をしておけ」
この少年は、どれだけ屈強なダンジョンの大ボスでも成し得なかった、『俺に膝を着かせる』という域に達した。
魔剣のおかげも大きかったろうが、反応速度は悪くなかった。
反射的に行っている防御行動も、実に洗練されたものだった。及第点と言っていい。
俺の鉄パイプを薙ぎ払う際の筋力も申し分無かった。
それに加えて、あの魔剣……魔剣を持っているのなら、『あそこ』で修行を積めば……
充分に、期待できる。この少年には、俺を退けるだけの実力を付ける可能性が充分にある。
……ふん、あれこれ建前を並べて、感情を優先するか。
まぁいい。それが俺らしい。
俺はただ、自分がこうしたいと感じる事をするだけだ。
次、俺は大剣を持ってお前らの前に立とう。
三度目は無い。覚悟しておけ。
俺に勝って、守ってみせろ、少年よ。
魔王の想いを。
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