クラスメイトA君の視点(この世界の種族の種類説明をしてます)

大樹とクラスメイトたちが召喚されたその日、一人の否、正しくは数名のライトノベルやWeb小説好きのクラスメイトたちは喜びに満ち溢れていた。そして、彼もその一人。

彼の名前は影島栄太(かげしま えいた)。大樹のクラスメイトの一人である。


俺は、なんでか知らないけどクラスメイトと一緒に勇者召喚されてしまった。

目の前にはすっげーでかくて誰かわかんねー肖像画が飾られてる壁とその下には大勢がこっちの見てる。

なんつーか羨望の眼差しとか期待の目で見られると気まずい。


そのあと王様っぽい人が俺たちを勇者召喚しましたって言ってきた。当然周りの皆は罵詈雑言なんでもござれ言いたい放題だったけど俺から言わせてもらうなら「そっかー」って思った程度だ。

なんでかって言われても元の世界ではアニメとかネットとかの専門職についてもいいかもくらいだったけど特に将来について深く考えたことなかったからだろうな。高校を決める時も適当に家が近いからって理由で決めたくらいだし3年になったら自分も変わるのかと一瞬考えたけどたぶん無理。一生惰性で生きてそうなんだよな


そんな訳で俺は別に王様を恨んだり罵倒を浴びせようなんて思っていなかった。隣にいる女の人がすっげー美人で眼福だったってのもあるのかも知れない。

それになんだか良く分からないけど変な遺物を触られって言われたんだけど神の遺物ってなんだよ?でも、そんなこといいや!だって触る時に皇女さんが俺の手に触ってきたんだぜ?これはあれだな!俺に惚れてるってやつだわ。いやー異世界行って王女が惚れるってのもテンプレだよなー!ついに俺ハーレムが幕を開けるぜ!なんつってな!


でも、そんな阿呆なこと考えていたのが次の瞬間には粉々に砕け散った。突然、空間が割れたと思ったら中から圧倒的な覇者の雰囲気を纏った男が現れて自分は魔王だって名乗ったんだ。

その尋常じゃない力(後で、神官の人に聞いたら魔王から魔力を極微量だけ当てられてたらしい)の前に俺はちょっと漏らした。無理だ。あんなのと戦って勝てるわけがない。俺以外もほとんどそう思ってたしここに魔王が来たってことは俺たちはここで人生終了なんだと思った。だけど、そうではなく魔王はただの挨拶に来ただけだっていう。なんだその隣に引っ越して来ました的なノリは!?

んで、それから魔王が自分を倒してなんとかっていう欠片集めたら元の世界に戻れるよって教えてくれた。なんだこの魔王・・・実は真の魔王が後ろにいるんじゃないか?昔やったレトロゲームにそんなのがあったような


それはともかく、魔王が俺たちを一人ひとり値踏みするように顔を動かしていく。クラスメイトたちは見せしめにこの場で人生終了させられるのではと思い肩を震わせている。その様子な悪いことをして大人に叱られる子供のようだ。

でも、そんなことはなく魔王は全員見終わった。その顔は最初に現われた時より随分とご機嫌な様子だった。まさか!俺が真の勇者と気づいたのか!?ってそんなわけないな。俺の才能は勇者であっても魔法技能が少し高いだけだったんだから

とにかく、魔王が帰ったあと皆、安堵の息を漏らしていた。ついでに俺は少し漏らしたので着替えが欲しい切実に。


この時、俺は自分の黒歴史確定の事で頭がいっぱいだったけど後になって度々思うことになる。あの日、なぜ魔王は笑顔になっていたのかを――

あれから俺たちは漫画や小説でしかみたことないようなパーティーを楽しんだ。異世界召喚ものは大抵中世時代とかがモチーフになってたりするんだがどうやら俺たちが召喚されたこの世界は科学の代わりに魔法が発展している世界のようだ。

いや、正しくは王城なんて中世時代チックな建造物があるんだから時代的にはあっているのかもしれないが魔法の利便性は正直、現代世界で暮らしていた俺たちでもすんなり受け入れられるほど不自由をしなかったんだぜ。

確かに携帯の充電とか電子ゲームはできなかったけどそれでも今を生活するのには全然生きていけるレベルだったからな。あと、飯がうめえ!なんだかよくわからない肉の種類だったりスープとかもお前何語だよそれってものだったけど香辛料とかふんだんに使った料理はめちゃくちゃ旨かった。食後のデザートとして甘味も出てきたりと自分がまるで映画や漫画の貴族になった気分だったね。


んで、翌日、今日からこの世界の常識と鍛錬をすることになった。

王様が申し訳なさそうにクラスメイトたちと共同で暮らせる家だけは用意してくれるけど生活費はあんま出せないって言ってた。不安を覚えないことはないけどやっぱ異世界と言えば冒険者だよな!っとポジティブに思考を変換させた。

悩んでも生活が出来るわけじゃねーからな!ただ、王様もそのまま世に俺たちを出すわけじゃなくて学び鍛えてくれるということだ。


初日は俺はこの世界の情勢や常識を覚えたかったから座学を選んだ。他のクラスメイト・・・主に女子たちは座学を選んでた。うっは!俺ハーレムきた!・・・そんなわけなく。数名の男子も座学だったよ!ちくしょう!

運動部の男たちは鍛錬しに行ったぜ!ほんと体を動かすの好きなやつらだな!その中に運動とかあんましてない一宮や体力なさそう男もついて行ってたけどあれ大丈夫なのか?まぁいいか!

初日の座学は終了した。昼からは自由に過ごしていいらしいが俺たちは一度集まってこの世界の情勢などを復習しようって流れになった。


そして昼食を取ったあと初日座学メンバーは王城の図書室で集まった。集まったのを確認したら委員長がまとめ役を買ってでた。イケメンは気遣いまで出来るとかハイスペックすぎる!


「えーっと、たしかこの世界はミルドって呼ばれる世界らしい。で、この世界には6つの大陸があって5つの種族がいるそれは、人族、魔族、エルフ族、獣人族、竜族の5種族ということ。ここまでは皆大丈夫か?」


俺たちは頷いた。それを見て話を進め始めた。


「次は、まず最初にこの世界の中央には大樹の大陸ってのがあるらしい。大陸というよりは大樹自体が大陸のように広く大きく根付いているらしい。

さて、次はそれぞれの種族についてまとめよう。

人族は他の種族よりも能力は低くこの世界における西の大陸というところに住んでいるみたいだ。だが、魔法器や剣術や道具を扱うという面に関しては多種族よりも秀でているという話だ。

魔族は北東の大陸に住んでいて大雑把に魔族と括ってるが種族としては沢山いる。デーモン族の魔王ヴェルクスを筆頭にヴァンパイア、ミノタウロス、サキュバス、グールという種族があるらしいということ。どの種族も魔力の保有量が桁違いで火力と言った面では高くそして、長けている。そして一部は好戦的ということだったな。でもまぁ、これはどの種族にも言えるな。まさに今、西の大陸でも起こっていることだし。

エルフ族は南東の大陸に住んでいて、こっちも種族が分かれている。エルフ、ドワーフ、ダークエルフに分けられる。そしてエルフ族は精霊術と魔法の両方が使える。が、どちらかと言えば精霊術がメインであることだっけか。

獣人族は北西の大陸だから俺たちのすぐ上の大陸だな。そこに住んでいると。あと、獣人は種族があるが分かれて暮らしているわけではなく気に入ったところがあればその町で暮らすという習慣があるので種族ごとに分かれて暮らしているわけではなくて犬狼、猫、狐の獣人がいる。最大の特徴は身体能力の強化をする獣術と獣形態になる獣魔法があること。あとアンデス神官から聞いたんだけど、人族にも友好的なのが居てこの城下にも住んでいる人たちがいるらしい。

そして最後、竜族だ。北の大陸に住んでいて、丁度、獣人と魔族の間の大陸だな。竜へと自身を変身させることが出来る種族。一撃の力が強い。独特の竜闘というオーラを出すことが出来るのと龍脈や地脈から力を増幅させることができる。これが5つの種族の特徴と言われているらしい」


とそこで委員長は話を一度切った。うん、なんとも簡素な説明だ!説明博士ってこっそり心の中で称号を贈ろう!

そのあと俺たちはどんな人たちなんだろうとか妄想を膨らませながら夕食の席についた。

そしたら王様や皇女さん、近衛の人や宰相の人までぞろぞろと来て夕食を取った。味?んなもんわかんねーよ!偉い人たちが滅茶苦茶疲れた顔なのに無理やり笑顔にして食事したりをチラっと見ちゃったんだぞ!無理無理。

なんか大変なことになったのかと思ったけど今すぐ戦場へGOとか言われてないから大丈夫だろうたぶん




そんなこんなで俺たちのこの世界での2日目は終わった。

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