第2話 知らない場所に

私は一瞬何が起きてるかわからなくなり周りを見渡した。暗闇の中、18㎡程の一室、タンスと私の寝ているベットしか置いてない部屋。確実に知らない場所だと再認識させられる。友達の姿はなく私は知らない部屋に連れて来られたのだと思った、なぜ自分のことなのにわからないかと不思議に思われるかもしれないが、記憶がないのだ・・・最後にあるのはあの事故の記憶、その後気がついて今に至る。


友達は?あの事故は?なぜここにいるのか、どのくらい寝ていたのだろうか・・・?

友達の安否やここがどこなのか気になりベットから起きようとすると右手足に違和感を覚える。うまく動かせないのだ、

「なんで・・」

壁の向こうからドン・ドンと何かを叩く音が聞こえ始めた!私は友達かもと思い弱々しい声で友達の名前を呼ぶ、返事はない、ドン、ドン、と音は続いている、すると足音が聞こえてくる。私はびっくりしたのと怖さでとっさに口に手を当てる、そのままじっとしていると足音は隣で止まり、ガラガラと扉が開く音が聞こえてきて私は隣に部屋があり人が二人いるのだと思った。友達かもと耳を傾けると微かながら会話が聞こえてきた、ボソボソと聞こえていたのが急に大きな声で

「痛い・・痛い

折れる なにをする!」

と男性の悲鳴気味た声が聞こえてきた、恐怖のあまり動けなくなる。

今置かれている状況は監禁されているとしか考えられない状態と認識した。

少しすると隣は静かになり足音が遠ざかっていく。

この場から一刻も早く外に出て助けを呼ばなければ・・と思い恐怖心を必死に我慢し薄暗い部屋をゆっくりと右足を引きずり扉まで歩いた。私の今の痺れは先程の会話から、私も寝ている間に叩かれたのかと思い始めていた。

扉に着くと私は、おそるおそる、扉から外を見る。すると右側の通路の奥に明かりが見え人影もある。先程叩いていた人だと私は思った。

扉は鍵が掛かっておらず空いたことに私は嬉しく驚いた。

私は、暗闇の方へゆっくりと歩いた、少し歩くとすぐに突き当たりにあたる。出口らしい扉はなくさっき居た部屋と同じような部屋がこの通路には連なっているだけだった。行くあてもなく突き当たり手前の部屋に入ろうとドアの窓を覗き込んだ時、

「何してるの」と声が聞こえたと同時に後ろから腕を掴まれた!!

振り向くと私の倍位ある大男がいた、男はそのまま両腕を掴み、さっき居たであろう部屋に腕をひっぱり連れて行き、私をベットに投げ捨てた。

叩かれる!と怖さのあまり目を閉じると足音が遠ざかっていく、部屋から逃げた私に罰があると思ったのだが、普通に部屋から出て行った大男に不思議を覚えながらも安心した。

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