第132話大すきだ!
昨日、妹家へ行ったとき、K君5歳が『アイドル戦士 ミラクルちゅーんず!』のDVDを見ながら、母の手土産の「黄粉アイス」を食べていた。きちんと食卓について。足もぶらぶらさせない。
そのK君が道路の端でしゃがみ込んでいたとき、妹が「もう帰ろう」と言い出した。わたくしがご一緒していいかしら、と尋ねる前だった。
そのとき、K君は、「ねえねと遊ぶ」ときっぱり言って、わたしを呼んだ。
どうしたことか、ねえねはどこにいてものけ者にされるので、K君の言葉は嬉しかったし、胸にキュンときた。
小さな背中に深いおもんぱかりを感じて、K君が人の上に立つようになったら、部下がしたって来るだろうなあと思ったし、悲しいくらいに心動かされた。
兄の方のY君はランドセルを所定の場所に置いたら、すぐに手洗いうがいを進んでする。いい子に育ってるねと妹に言ったら「そうでしょ」とクールに言った。
彼はアンパンを食べながらコロコロを読んでいて、話に聞くと妖怪ウォッチはもう読んでいないそうだ。見せられたのはでんじゃらすじーさん。どぎついのが好きだなあ。
彼はもう乳歯が抜けてきていたので、「前歯、生えた?」と聞いたら、少し沈んで「前歯、生えてこない」と言うので、
「ワンちゃんも小さいころ乳歯が抜けるんだよ。猫ちゃんも牙が抜ける。ライオンも抜けるし、鮫だって……」
と言ったら、Y君、急に生き生きとして、鮫の歯の仕組みについて語り出した。
Y君は凄いなあ、詳しいなあ。さすが男の子さんだ。と言って話を聞いていたら、前歯のことは忘れてくれたらしい。もう少しで地雷を踏むところだった。
フォローは大切だと思った。
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