第114話文学ちらり

 ラノベをすすめられて読んだけれど、あれはどんどん新作が出て購入が追いつかない。

 わたくしの小遣いは有限なのだ。

 派手なキャラの本(それよりはさわやかなものが増えているきがするから、偏見だろう)を横目に見て、内心ギリギリとほぞをかむ。

 わたくしの本性はコレクターなので、いったん手にしたものはなかなか手放さない。ために、本置き場がいつも(げふん)

 とにかく、発売日に大人買いしないと気が済まない。

 古本屋も利用する。主に完結済のシリーズものなんかをごっそり、二万円分くらいはあたりまえだ。

 自慢ではないが、今月甥っ子へのプレゼントと一緒に自分へのご褒美(たくさん読むのだから、頭を使う)として頭を使わずに読める絵本を大量に買い、来月ゴールド会員の資格をもらったのだ。

 しかし、来月は素寒貧だから意味はない。

 紀伊国屋はポイント還元をのみ、実施してくれればよい。

 ゴールド会員ってなんだ? ――よくのみこめていないのである。


 さて、以前に「あなたの文章拙い」とノートに記帳していった人があったが、すすめてくれたラノベは確かにSFとしては面白いアイデアだと思った。デスゲーム的な面もあったし、お色気サービスもちょこちょこと。

 これだけ、スリルとサービス満点だったりすると、読み手は常に刺激を求めるようになる。ゆえに、出版社は人気作を量産するべく、毎月さまざまなコンテンツを紹介していかねばならない。大人買いの原因である。


 ちょっと疲れた頭に「泉鏡花」の『高野聖』と「夏目漱石」の『坊ちゃん』と「宮沢賢治」の『風の又三郎』を冒頭だけ。

 変な坊さんと、親指に生涯の傷を負ったかわいそうな少年と、転校してきた不思議な赤毛の少年が、新たな情報として書き加えられた。

 以前読んだものと途中で飽きたものとが混在している。

 また飽きるのだろう。

 そんな予感と共に、冒頭だけ読んで雑感。


 共通する要因として、冒頭では頭では考えられないようなキャラクターが(つまり奇異、破天荒、普通じゃない)登場するのだ。

 ここで失敗するとラノベも売れない。

 参考になる。

 文学は封印してきたが、そろそろ解禁してもいいんではないかと思い始めた。

 がんばって読む。


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