第115話甥っ子K君の誕生日がもうすぐ
祖母におまえはちっちゃいと言われたせいではないが、ちっちゃい子の扱いには注意している。
なにせこれから大きくなるのだから、芽をつぶさない。
じきに甥っ子Kの誕生日である。
プレゼントは妹が自分で要求してきて、『100回だて』シリーズの新作が発刊されたというから、入念に確認したうえで購入。
プレゼント用に梱包してもらったし、値段は修正液で消してもらった。
そして今日、東急ハンズでオルゴール付きのバースデーカードを買ってきた。
第一印象から決めてました!
迷うふりもしたし、母に相談を持ちかけもしたが、やはり自分の感性を信じようと思った。
マイケルジャクソンのような黒い服を着て、ウェービーな黒髪ロングの男性がスポットライトを浴びて歌っている。
オルゴールが鳴り始めると、拍数を置くところでスポットライトのところに絶妙な光が明々とつく。
これなら、きっと幼児の心を惹きつけるだろう。
きっと、よろこんでくれる。
メッセージも、色合いも好みに合致している。
思うだけで気持ちが強くなっていく。
実際、ひとりよがりかなと思う瞬間もあるのだけれど、彼にバースデープレゼントを贈るのは初めてだから。
いつもは誕生会にも誘ってもらえないねえねだから。
妹がプレゼントをよこせと言ってきても、誕生会は家族だけで行うからと母づてにきかされても、ちょくせつ手渡せないのだとしても、楽しみはたのしみなのだ。
彼の守備範囲だといいのだけど。
まあ、今年だけで終わってもべつに構わないのだけれど。
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