第112話謹賀新年!

 いやいや~~明けました。おめでとうございます! と、タイトルに書こうとして踏みとどまりました。


 おめでとうございます!


 普通でいいのです。奇をてらわなくとも。そういうことを学んできたはずじゃあないか、と自分に言い聞かせて今年も参ります!



 初詣は年明け早々大賑わいでした。

 中には犬にダウンジャケットを着せて詣でる方もあって、あれ? 手水はつかわないのと不審に思ったりもしました。

 まだ除夜の鐘が鳴っている中で、神社の鐘をがらんがらんと鳴らしつつ、今年もア・ハッピーニューイヤーと唱えて場所を譲ります。

 宮司さんが白いの(名前を忘れました)をばさばさと振ってくれます。邪気払いでしょう。お餅を奉納して参りました。このときのために年末にもちっこでついていたのをラップでくるんで冷凍保存していたのです。

 おととし行ったときは人気もなくて、宮司さんがダウンジャケットのままはらいたまえきよめたまえとばさばさやってくださいましたが、あれにはびっくりしました。どうでもいいや。二礼二拍一礼。

 友人の一族のお宮でけんちん汁と振る舞い酒をなみなみ注いでもらって、さすがに気前がいいなあと三口もらって火にあたらせてもらいました。

 地元の氏神様のところで甘酒を戴き、おみくじは末吉。

 さあ! 

 ここでわたくしが思っていたことを白状しましょう。


 産まれたところの氏神様のところで→ 「お神酒の戴き方がよろしくなかった。三口であおるようにしなければ、お神酒を見下していることになる。運をつけよう! あとけんちん汁を戴かなかったのも侮辱になるだろうから次からは素直に戴こう」


 友人の一族のお宮で→ 「(景気よく飲み食べしたのち)みなさん、美人さんだな。(せめて)縁起のいい顔になろう」


 地元の氏神様のところで→ 「(笑顔を心がけながら)縁起のいい体になろう」


 短い時間ではありましたが、有意義な一人旅でしたね。いろいろ考えさせられるひとときでした。神様のもとで、人は限りなくやさしくなれるのだ、と心がほかほかしました。

 神様、今年もありがとうございます!


 そして家に帰ったら、やはり天啓はありました。

「お年玉をけちるのはよしなさい」

 はい。大幅増上いたしました。小遣いの半分は投入したかな。まあ、子供は半分あの世の者だから、もてなさないとね。


 自分の心を磨くために、ボランティア活動なんてどうだろう、と思うようになりました。

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